地球の富の純増推計|地球上の純資産、資本回転率、純利益、ROIC、IRRの推論フレームワーク

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地球の富の純増推計|地球上の純資産、資本回転率、純利益、ROIC、IRRの推論フレームワーク

経営では全世界の富の増分を配当のように割り当てられるような状態(state)を作るのが重要である。地球の富を推計するフレームワークとして、純資産(net wealth)、資本回転率(turnover)、純利益(income)、ROIC、IRRを用いる。

1. 全世界の純資産と純利益の推計

※数値はIMF、世界銀行、クレディ・スイス(UBS)のグローバル・ウェルス・レポートなどの統計に基づいた2024〜2025年時点の推計値。

全世界の純資産(Global Net Wealth)

推計:約460兆ドル〜500兆ドル

これは、個人・法人の所有する不動産、金融資産から負債を差し引いた総額です。近年のインフレや株価の上昇により、名目ベースでは右肩上がりで推移しています。

全世界の純利益(Global Net Income / Corporate Profits)

推計:約3兆ドル〜5兆ドル

世界のGDP(約105兆ドル〜110兆ドル)のうち、企業の純利益(Net Profit)として残る割合を3~5%程度と見積もった数値です。

こうしてみると、全世界の富が500兆ドルに対して、ROICはたったの1%、5兆ドルである。これはほとんどの中小企業が稼げていないことからも実感に合う。上場企業の平均ROIC10%やTop5のROIC>30%がどれだけ異常値、アノマリーなのかということがこの平均からわかる。

2. 産業別純利益の構成比(概算)

世界の純利益がどのセクターから生み出されているかの推計。

産業セクター純利益割合(概算)平均ROIC平均資本回転率特徴
金融・保険・不動産約25%5%0.1未満銀行、投資ファンド、保険。
情報技術(IT)・通信約20%15%1Big Techを中心とした高利益率セクター。
エネルギー・製造約15%5%0.5石油・ガス、自動車、重工業。
ヘルスケア・製薬約12%15%0.3バイオテクノロジー、製薬。研究開発費は高いが、特許による高利益。
消費財・小売約10%10%1Eコマース、食品、衣料。
その他(建設、運輸等)約18%5%0.5建設、物流、サービス業全般。

3. 純利益による増分 vs インフレ・金利による増分

純資産が「自律的な稼ぎ(利益)」で増えるのか、「マクロ経済(インフレ・金利)」で膨らむのかを比較します。

① 純利益による純資産の増分(収益性)

企業の経済活動によって、世界の富は毎年約 1% 程度、実質的に積み上がっています。

② インフレ・金利(資産価格上昇)による増分

通貨価値の下落や資産価格(不動産・株式)の再評価による名目上の増加です。

  • インフレ率: 世界平均で 約3.5%〜5% (近年のトレンド)
  • 資産価格の感応度: 金利低下局面では資産価値が跳ね上がりますが、現在は高金利下にあるため、上昇幅はインフレ率に近い値に収束しています。
  • 推計値: 約4.0%〜6.0%

結論:どちらが資産を押し上げているか?

現代のグローバル経済においては、「純利益による積み上げ(実益)」よりも「インフレや資産価格の上昇(評価替え)」による増分の方が大きい 傾向にあります。

  • 実力値(純利益):1% の成長、上位群では3~5%の成長
  • 外部要因(インフレ等):5% の膨張

補足: > 資産を保有している側にとっては、自らが生み出す利益(配当や内部留保)よりも、貨幣価値の下落(インフレ)や市場の期待値(株価・不動産価格)によって資産額が膨らむスピードの方が速い、いわゆるトマピケティの「r > g」の状態が継続していると言えます。

区分純資産への寄与度(年率)備考
平均的企業の純利益約 3%ご指摘の通り、平準化するとこの程度。
インフレ・資産再評価約 4〜6%利益がなくても「額面」だけは増える。
トップ企業の純利益10%〜インフレを凌駕し、実質的な富を独占する。

全世界資産の演算スループット(推計モデル)

資産ポートフォリオを「回転率」で加重平均し、システム全体の真の回転率を算出します。

資産区分推計額設定回転率生成されるGDP(演算出力)
事業用資産200兆$0.5100兆$ (GDPの主機)
非生産資産250兆$0.125兆$ (潜在的サービス価値)
プレミアム50兆$0.00兆$ (純粋な時価の膨らみ)
合計 / 平均500兆$0.25125兆$ (理論上の総出力)

もし仮に、全世界の資産回転率の平均が0.1だとすると、純資産の推計が膨張しており、GDP100兆ドルの10倍が全世界の純資産という可能性もありそうだ。

地球純資産の構成推計(500兆ドルのセグメンテーション)

区分資本回転率ROIC推計構成比対応純資産額特徴
L1: Hyper-Logic1.0 〜30% 〜約 1%5兆$Big Tech、Nvidia、高付加価値SaaS。
L2: Standard-Logic0.510%約 19%100兆$優良製造業、LVMH、効率化された実業。
L3: Low-Logic0.11%約 80%395兆$不動産、インフラ、公的債務、埋蔵資源。
合計 / 平均0.262%100%500兆$地球全体の演算スペック

各セグメントの論理的解釈

1. L1: Hyper-Logic(5兆ドル)

  • 演算の性質: 「物理」を完全に排除した純粋な情報演算。
  • ROE/ROIC: ROIC、資本回転率が突出しているため、わずかな資産で巨大な利益を叩き出します。
  • 現状: 現在の世界時価総額上位10〜20社でこの層の大部分を占めます。ここがシステム全体の「期待値」を牽引していますが、純資産ベースで見ると全体のわずか1%に過ぎません。

2. L2: Standard-Logic(100兆ドル)

  • 演算の性質: 標準定義の0.5の回転率を持つ、実体経済の心臓部。
  • 現状: 工場、物流、高度なサービス業。ROIC 10%を維持できているのは、物理的な制約の中でも「価格決定権」を持つ企業群です。GDP 100兆ドルのうち、約80兆ドル(80%)近くはこの層のサプライチェーンで出力されています。

3. L3: Low-Logic(395兆ドル)

  • 演算の性質: 回転率0.1という「10年に1回しか入れ替わらない」鈍重な演算。
  • 現状: 世界の純資産の約80%がこの「死んだも同然」の領域に滞留しています。ROIC 1%という数値は、インフレ率(3〜5%)を考慮すると実質的な価値破壊を起こしている層です。ただし、価値破壊を起こしているそうが経済の80%を占めているというのがポイントです。

このような世界の富の構造を観測すると、資本回転率10倍、ROIC10倍〜100倍の効率の観点から選択肢は消極的にL1しかないといえ、全世界の資本はTop1%のL1に集まり、それが地球全体の純資産の底上げになることがわかります。

L3→L2→L1とアセットクラスの相転移をさせていくのが情報通信技術と言えるでしょう。