De Morgan’s laws ドモルガンの法則
オーガスタス・ド・モルガン(Augustus De Morgan)が定式化したDe Morgan’s lawsドモルガンの法則は、集合論や論理学において「否定(NOT)」が「かつ(AND)」や「または(OR)」とどのように作用するかを説明する論理です。
1. 法則の2つの形
数式(論理記号)で表すと以下のようになります。
① 「A かつ B」の否定
「AとBの両方が成り立つ」という状態を否定すると、「Aがダメ、またはBがダメ(あるいは両方ダメ)」ということになります。
$$\neg (A \land B) \iff (\neg A) \lor (\neg B)$$
例: 「このケーキはおいしくて(A)、かつ安い(B)」の否定は、
「おいしくない($\neg A$)、または安くない($\neg B$)」である。
② 「A または B」の否定
「AかBの少なくとも一方が成り立つ」という状態を否定すると、「AもBも両方ダメ」ということになります。
$$\neg (A \lor B) \iff (\neg A) \land (\neg B)$$
例: 「犯人は男(A)、または女(B)である」の否定は、 「男ではない(¬A)、かつ女でもない(¬B)」である。
2. ベン図による視覚化
集合で考えると、この法則の正しさが一目でわかります。
- 左辺: AとBが重なった部分(共通部分)以外をすべて塗りつぶす。
- 右辺: Aの外側とBの外側を合わせた範囲(和集合)を塗りつぶす。結果として、どちらも同じ範囲を指し示すことになります。
3. なぜこの法則が重要なのか
ド・モルガンの法則は、複雑な論理をシンプルに整理するための「翻訳機」のような役割を果たします。
- プログラミング:
if (!(a && b))という複雑な条件分岐を、if (!a || !b)と書き換えて読みやすくしたり、バグを減らしたりするのに必須です。 - 電子回路: 論理ゲート(NANDやNORなど)を設計する際、部品の数を減らして効率化するためにこの法則が使われます。
- 思考の整理: 相手の主張の「否定」が何を意味するのかを正確に捉える、論理的思考の基礎となります。
まとめ:覚え方のコツ
「否定」を入れるとき、「かつ(∧)」と「または(∨)」の向きがひっくり返る、と覚えるのがシンプルです。

