IAS(プリンストン高等研究所)
IAS(プリンストン高等研究所)数学部門の正教授一覧
2026年現在、IAS数学部門の正教授(Permanent Faculty)は、世界最高峰の知性が集まる極めて少数精鋭のグループです。以下に主要な教授陣のプロフィールをまとめます。
| 日本語名 / 英語名 | 生年月日 / 国籍 | 代表的論文・著作 / 内容 |
|---|---|---|
| ジェイコブ・ルーリー Jacob Lurie | 1977年12月7日 アメリカ合衆国 | “Higher Topos Theory” 無限圏論(Infinity-Category Theory)の基礎を築き、現代の代数幾何学と言語を根本から書き換えた。 |
| アクシェイ・ヴェンカテシュ Akshay Venkatesh | 1981年11月21日 オーストラリア / インド | “Derived Galois deformation rings” 数論、トポロジー、表現論を融合。解析的な手法を数論的対象の統計的研究に応用した。 |
| ピーター・サルナック Peter Sarnak | 1953年12月18日 アメリカ / 南アフリカ | “L-functions and Random Matrices” 数論と数理物理学(ランダム行列理論)の深い繋がりを証明し、ゼータ関数の零点分布研究を劇的に進展させた。 |
| リチャード・テイラー Richard Taylor | 1962年5月19日 イギリス / アメリカ | “Ring-theoretic properties of certain Hecke algebras” ワイルズと共にフェルマの最終定理の証明を完成させた。ラングランズ対応の進展に多大な貢献。 |
| カムラン・ヴァファ Cumrun Vafa | 1960年8月1日 イラン / アメリカ | “Microscopic Origin of the Bekenstein-Hawking Entropy” 弦理論の世界的権威。ブラックホールのエントロピーを量子的に説明し、数学と物理の架け橋となった。 |
「思考の帝国」:広大な敷地と莫大な予算
IASは、一般的な大学とは一線を画す「研究のためだけの理想郷」として運営されています。
- 圧倒的な低密度: わずか30名弱の正教授と、世界から集まる約200名の研究員のために、約320ヘクタール(東京ドーム約70個分)の敷地が確保されています。この大部分は「IAS Woods」と呼ばれる森であり、アインシュタインやワイルズが散歩しながら思索に耽った歴史的な環境が維持されています。
- 集中投資される予算: 年間の運営予算は約110億〜120億円(約7,500万ドル以上)に達します。学生がいないため、授業料収入はゼロですが、約1,800億円(1.2 billion dollars)を超える巨大な基金(Endowment)の運用益と寄付金により、最高峰の頭脳に「一切の教育義務を課さず、研究に専念させる」という贅沢な体制を実現しています。

