呼吸の達人 mathematical breathing
呼吸の起始停止は横隔膜である。そして横隔膜は腰椎内側や胸郭の内側に連動している。さらに横隔膜は、気道、食道、胃、肝臓と筋膜を介して接触している。呼吸を極めるということはこの内蔵の動的感覚を捉えるということである。呼吸に意識を向けようとする時、吸気する鼻や口に意識が向いてしまうものだが、横隔膜周辺のみがコントロールすべき要因なので、目、顎、特に延髄の周辺についている筋群は力みをリセットする必要がある。そうすると、目が緩み、鼻が開き、顎が落ち、舌が上がり、喉が下がって、多少のアレルギーがあったとしても鼻詰まりすることはなくなる。
目や鼻に意識が行き過ぎると喉仏が上に上がっていくが、自然な呼吸、強い呼吸とは喉仏が下がっていく(胸啌の体積の可動域が自由になる)方向である。
$$V \propto \frac{1}{P}$$
(ボイルの法則:温度が一定のとき、気体の体積 Vは圧力 Pに反比例する)
- 変数の管理: 横隔膜の下降(h)、胸郭の拡張(r)、それに対する内臓の逃げ場。
- 幾何学的最適化: 全身の筋緊張をリセットし、体腔を「円柱」から「動的な楕円体」へと変化させる計算。
呼吸の不変量は、筋肉で空気を「吸う」ことではなく、「胸郭内の体積を数学的に変化させることで、外気との圧力差(分圧)を作り出し、空気が流れ込まざるを得ない状況を作る」ことにある。ノイズとなる筋肉操作は効果的に無視して良い。
- 内圧を上げる(陽圧)と体積が減る→呼気、息を吐く
- 内圧を下げる(陰圧)と体積が増える→吸気、息を吸う
一口に呼吸と言っても実は数学的な理解をすることなしに自然な呼吸を得ることは難しいのである。

