Aureum Native仮説
パリ、ローマ、ジュネーブなど、ラグジュアリーインダストリーにおけるメゾンは地球上の特定の地域においてのみ存続している。Louis Vuitton, Richemont, Audemars Piguetなどが用いる自社商品の記述方法は、他のファストファッションやコモディティとは全く異なり、紀元前からその系譜を持つマテリアルサイエンス、ジェモロジーを前提として、ヘリテージ、パトリモニー、サヴォアフェール、メティエダール、クラフツマンシップからアヴァンギャルドまでを独自の言語表現で言語表現で修飾している。
その表現技法はサイズ、着心地、ディテール、ニュアンスなど、機能や効能で表示するのではなく、博物学のオントロジーによって分類している。
これはスマートフォンやタブレットの時代にReact Nativeというブラウザベースの言語やhtml、CSS、REST APIが、のちにCやphpといったハードウェアやデータベース側の先行言語を超え、通信ハブとして巨大化していった流れに似ている。ラグジュアリーとは、ハードウェアである人間を駆動させ、地球上の経済、社会の力学をより抽象的なレイヤーで操作するためのエンジンであり、外部修飾型のパワーデバイスを結ぶ通信・制御プロトコルでありAPIなのである。
このようなラグジュアリーのハード面、ソフト面そして、消費者の購買を推進する力学の記述方法をAureum Nativeと仮に命名するとする。
宇宙空間、重力場というOSの上で真空、ダークマター、クオーク、水素、酸素などの元素、金(Au, 79番目)などの元素が存在する。基本的な宇宙空間で安定しているのがゴールドであり、人間はゴールドの物性を持ってして、普遍、不変、価値を解釈している。
アインシュタインが最も通信が速い粒子は光であると定義したのは、可視光線というのが認知できる最も速い力であるという観点であり、それは必ずしも光よりも速く到達する情報があることを否定するわけではない。光は絶対的な最速物質なのではなく、速さが相対的に支持できる相対的な安定速度なのである。
それと同様に地球経済の複雑性をさまざまな元素、さまざまな角度から定義していくと揺れ動く。したがって、ゴールドという特異点の物性を中心におくと、社会経済の仕組みが説明しやすくなる。つまり、ゴールドも光と同様に、相対的に他の物質と比べたときに位置、座標、関係性が支持しやすい相対的安定物質なのである。
Aureum Native
Aureum Native。この言語体系は、人間という「生体ハードウェア」に、地球上の極限資源(マテリアル)と知性の結晶(サヴォアフェール)を外部修飾型パワーデバイスとしてマウントし、社会力学のOS上で「実行(Execute)」するためのプロトコル、APIであると定義する。あるメゾンの一級品があったとき、宇宙のポテンシャル勾配において、「Auの鞍点」と同等の安定性を持つ場合、その物体は他の物体に比べて時間の経過(エントロピー)の影響を無力化する結晶構造を持っているといえる。
1. 価値の原点:Auという「不変の慣性系」
アインシュタインの相対性理論において、いかなる観測者からも光速(c)が不変であるように、Aureum Modelでは「Auの物理的特性(腐食への耐性、原子の安定性)」を価値の定数と定める。
- 観測誤差の排除: 文化、宗教、流行といった「時代の加速度」「経路依存性」「局所性の谷」によって歪む価値判断を、Auという「特異点」を基準に短期的なノイズとして排することができる。
- 鞍点の役割: ポテンシャルエネルギーの斜面(インフレや風化)において、あらゆる物質が崩壊へと向かう中、Auだけがマターバースの寿命が尽きるか、陽子の寿命が尽きるか、中性子星のような超質量イベントが起こるまで、その鞍点に静止し続ける。ここを座標の原点 (0, 0, 0) とすることで、初めて他の物質(ヒマラヤクロコダイルやプラチナ)の「位置エネルギー(真の価値)」が正確に測定可能になる。
2. 価値の時空の歪み
一般相対性理論において、質量が空間を歪め、時間の進み方を変えるのと同様に、鞍点的な特異点性質を持つ物質は、周囲の時間とは異なる時間を経験するはずである。Aureum Nativeにより記述された物質は強い重力をコアとして、銀河、恒星、惑星、衛星を構築し、さまざまな物質や意識というエネルギーがその星に訪れるのと同様の質量現象を引き起こすこととなる。
- 時間遅延の発生: 強力な「重力」が発生。
- タイムレスネス 強力な重力場(一級品)の中では、価値のエントロピー増大(風化)が極限まで遅延し、結果として人間スケールから見た場合の「永遠(Timelessness)」が観測される。
- 始点と終点の一致:誰のために作ったかわからない高価格のガーメントが、偶然店舗に訪れた誰かに購買されるという奇跡的なCoincidence。
Aureum Native の意義
Aureum Nativeという価値体系、公式が仮に公理としての普遍性も持つとしたら、この仮説は人類の経済史における価値を物性として置き換えた場合の相対性理論の発表に等しい可能性はある。
- 「着心地」「機能性」「トレンド」「美容」「運気」というhtml的(表面修飾的)な議論から解放され、物質の「位置ポテンシャル」と「エントロピー耐性」で世界を再定義できる。
- 生体ハードウェアのアップデート: 老舗メゾンを外部修飾型パワーデバイスとして装備することで、社会力学のOS上でより高い権限(Root権限)を行使できる状態になる。
- 例えば2026年においてインターナショナルハイウォッチの1000万円台の金無垢時計という価格は、「Aureum Native」という公理系にアクセスするための計算リソース代である。価値の土台として、他の物質と比較した際の位置ポテンシャルの相対的な対称性が敗れた特異点に置く貨幣は、富の杭としてアンカー的に機能するため、消費ではなく、積み上がる固定資産となる。それは常に「評価のノイズや誤差の揺れを停止させる原点」として機能する。
人間はりんごであっても最高級のりんごを識別する。ダイヤモンドもCarat, Clarity, Color, Cutという物性と加工方法で等級を分類し、定量化できないfireの要素をCharacterと呼ぶ。ルビー、サファイア、エメラルド、ワイン、マグロから牛肉まで、人間はあらゆるものにおいて「どちらが優れているか」を相対的に比較し、分類し、識別することができる。そして、あらゆるものの価値の源泉になっているゴールド、プラチナやダイヤモンドを基軸通貨として扱えば、比較しにくいものも比較できるのだ。
例えば、シードフェーズのスタートアップに1000万円台を投資するのと、同じ価格のゴールドの金無垢時計を買うのはどちらが効用が高いか比べて出資する。またはハイジュエリーと比較して出資持分を回収することを決めれば、サンクコストの見誤り、無駄な追加投資や機会損失を防ぐことができる。
価値に対して価格がバブルになっているもの同士を比較するのは難しい。AI銘柄、国際都市の目抜通り、人気急上昇のアート作品など、ハイプで熱が溜まっているところの価値を推測するのは難しく、たまたまそのような市場で利益確定できれば良いが、これは難しい。
歴史的に価値が上がり、そして冷め切った3点(例えばゴールド、プラチナ、ダイヤモンド)で判断するのは比較的安定感がある。

