NASDAQ上位企業の金使用料比較
Alphabet / NVIDIA / Apple / Microsoft はAmazon / Tesla よりもはるかに大量の金(Gold)を使用している。しかもこれは 偶然ではなく、構造的な理由 による。
■ 金を大量に使う企業
NVIDIA(GPU)
Apple(SoC+高密度デバイス)
Microsoft(データセンター+高級端末)
Alphabet(GCP+TPU+量子系研究)
■ 金をほぼ使わない企業
Amazon(Eコマース中心。AWS自社設計チップの金量は限定)
Tesla(車両は大電流→金は不向き。金使用量は極少)
🟡 なぜ金は “特別な金属” なのか?
金の電子部品用途は:
- 腐食しない
- 接触抵抗が極めて安定
- 超微小電流でも確実に通電
- 高周波信号に強い(GHz帯)
- ワイヤボンディングで最強の安定性
つまり:“高度なコンピューティングになればなるほど金の利用量が爆増する”
🟩 NVIDIA がどれだけ金を使うか
NVIDIA の GPU(H100等)は:
- ダイ上に数千の金ボンドワイヤ
- 基板の金メッキ(ENIG)
- 高密度BGAパッケージの金端子
- AIクラスタ用サーバーにも金メッキ多数
1基の H100 あたり:
- 0.03〜0.1g の金 と推定できる
しかし A100 → H100 の AI ブームで
世界中で 数百万基 が同時に使われるので、
業界全体の金消費量は 数トンレベルになる可能性すらある。
これは Tesla の車 10万台分の金使用量を軽く超える。
🟦 Apple は金使用量が「世界最大級」
Apple は:
- iPhone
- Mac
- iPad
- Apple Watch
- AirPods
- MシリーズSoC
- TSMC 3nm パッケージ
これら全部で金を使っている。
iPhone 1台あたり 0.03〜0.05g の金
→ 年間2億台
→ 6,000〜10,000kg=6〜10t の金
企業単体として世界最大級の金消費者。
🟪 Microsoft は “データセンター” が金の塊
Microsoft Azure のデータセンターは:
- GPU、FPGA
- 高密度ネットワーク
- CPUサーバー数百万台
- FPGA(Project Catapult)にも金
- Surface のハードウェアにも金
クラウド事業は
ハードウェアの接点の数 × 規模 = 使用する金の量
になるので、クラウド規模=金の使用量の向上。
🟥 Alphabet(Google)も金を大量に使う理由
- TPU(Tensor Processing Unit)
- GCP(Google Cloud Platform)
- 検索クローラ用超大規模データセンター
- スマホPixel
- 量子コンピューター(Sycamore)
量子コンピューターは特に金を使う。
量子ビットの接触・冷却・配線は 金メッキ+金ワイヤ必須。
🟧 一方 Amazon はなぜ金が少ないのか?
❌ Amazon本体:ほぼゼロ(物流・ECの会社)
商品の流通企業であり、金を使うのはユーザーデバイス(Fire等)くらい。
△ AWS はハードウェアを使うが
AWS は **カスタムチップ(Graviton、Inferentia 等)**を使い、
いずれも TSMC製 で金メッキされているが、
規模が Azure/Google より小さい。
よって:Amazon ≠ 高密度半導体の大量投入企業
🟦 Tesla が金を使わない理由
Tesla の車両は:
- 高電圧(400〜800V)
- 大電流
- パワーエレクトロニクス中心
金は:
- 大電流用途は不向き
- 接触面積を広げる必要がある(金は柔らかすぎる)
- コストが高い
- 車は湿気・温度変化・振動でメッキが剥がれやすい
→ 使うのはごく一部の ECU やコネクタのみ。
量としては非常に少ない(1台あたり 0.5〜1g 未満)。
GPUクラスタ 1ラックの金使用量 < Tesla 5万台分の金という状態すらあり得る。
⭐ 結論
Alphabet・NVIDIA・Apple・Microsoft は「大量の金を使うハードウェア企業」Amazon・Tesla は「金使用量が極めて少ない企業」。
そしてその理由は構造的:
- 高速信号
- 微細回路
- 超微小電流
- 腐食しない接点
- 高周波安定性
- 半導体パッケージ
- データセンター規模

