発熱、加速、拡張よりも重要なのは冷却、減速、制御である

Growth-as-a-Service™︎| Decrypt History, Encrypt Future™

発熱、加速、拡張よりも重要なのは冷却、減速、制御である

AIで最もFCFパフォーマンスに成功した会社はHVACであることから、熱を発生させる設備よりも冷却機構、制御機構のほうが重心であると言えそうである。AIは甚大な損失を生んでおり、人間の人生におきかえると何人が死んだかわからないほどのキャッシュバーンを生んでいる。

成長とは、最終到達地点に居座る人が得られる対価であり、成長を成長それ自体として楽しんでしまうと、エネルギーの拡散により、エネルギー収支としてのキャッシュフローが赤字になってしまう。成長は最終受益者が総取りしてしまうものなのだ。

フリーキャッシュフローが時間、命だとすると発熱や加速、拡散よりも、冷却や減速、制御機構こそがフリーキャッシュフローを産む要因であり、命を保全するアクションであると言えそうだ。

つまり、盛り上げることや気を配ることは一見何かの役に立っているように見えるアクションではあるが、これはカオスに向かう指向性である。

最も利益が得られるのは銀河鉄道999に乗車するわくわくした客ではなく、終点を知り、安全確認を黙々とプロセスを進めている車掌さんであるということである。

始まりは常に終わりとセットでやってくる。始まりだけを見て、終わりもセットであることに気づかなければ、後で意外な代償を被ることになるのだ。特に世の中の脂の乗った30代後半はあらゆる組織で引っ張りだこになる経済社会の重力の中心である。しかし、それは永遠には続かないし、想像以上に終わりは早くやってくる。

これは夢、目標、願望、やる気、情熱、色々な表現ができるかもしれない。カオスが沈静化した後にも利益を享受するためにできるアクションが必要な期間は、ほんの数年で終わってしまう。

決断できる期間はほんの数年の間に終了する。その後に何かしたいと思い続けてしまうのは罠である。もう飽きたと思って新しいことを始めたくなる年齢であったとしても、時間はあらゆる資産に優位であるため、築き上げた資産に余計な手を加えないという習慣が成功の核である。成功の後の動産、不動産、慈善活動、スポンサー、あらゆる最小作用原則を外れたエネルギー負荷は、規模の拡大とともに際限なく膨らむ。ただし、このような低ROIC活動が本業の成長を止めてしまっていることに気づくには規模が大きすぎ、蛇足を避け、危険を回避しつつも、無為自然を保持し続けられる成功者は少ないだろう。