足し算、掛け算、累乗よりもエレガントな解法|50%+ε(イプシロン)の法則
80%勝利するテニスプレイヤーも、1ポイント毎の勝率は50%+数%である。さらに、立ち上がりの1セット目を落として、最後に勝つという逆転劇を生み出す可能性が高い。
なぜこうなるかと言うと、勝利は足し算、掛け算、累乗や指数関数でもなく、エレガントなハイパーオペレーションだからである。
「50+ε」は積み上げ型の加算構造ではなく、位相的ジャンプ(Quantum Leap)を可能にする結界(≒数式)を構築する原理である。
勝つとは、勝率を上げることではなく、勝ち負けギリギリで最小作用で目的地に辿り着くための制約条件付き最小作用運動なのだ。勝つために必要なことは相手を倒すことではなく、負ける可能性を潰すことである。勝ちが「跳躍的に生じる場」を構築することなのだ。
一泊数十万円するラグジュアリーホテルや、一泊数百万円するプレジデンシャルスイートはいつも埋まっていると勘違いしている人は多いが、実際に泊まっていると50%+εである。大体半分の確率で空いているという状態を作ることで、勝負の隙間にある間隙に入り込む余裕を生み出しているのである。