局所最適の過当競争フリーライディングは長期の地球免疫系に排除される癌である。コンシューマーに対するプライシングパワーが事業の真のコアである。

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局所最適の過当競争フリーライディングは長期の地球免疫系に排除される癌である。コンシューマーに対するプライシングパワーが事業の真のコアである。

安売り競争は国力を低下させる市場の失敗であり、負けた人が儲からないだけでなく勝った人も儲からない。

市場参加者全員で時間を切り売りすることになる。地球の資源は全世界に行き渡るほど潤沢ではない。したがって高く買える人のところにすべての資源が集まる。安売り競争は資源の集まりを時間をかけて悪くしていく。さらに資源は安売りによって枯渇する。たとえば漁師が魚を取りすぎて、安売りし、廃棄は余っている割に、天候、気候要因で事業者が倒産する。

そして魚は絶滅するまでこの過当競争は続き、ある魚がなくなると次は別の魚が絶滅するまで乱獲安売り競争は続く。この過当競争の中に入って内部からエコシステム全体を変えようとするのは不可能である。ミイラ取りがミイラになってしまう。

人間が都市において担うべきは適切なプレミアムが反映された、売れれば売れるほど資本が積み上がり、富が増大するインフラストラクチャの構築であり、コンシューマーに対するプライシングパワーの発生しないベンチマーク以下のパフォーマンスビジネスはすべからくフリーライダーとして悪徳であると認識されるべきである。

バリューチェーンの途中でたまたま需給調整により価格が上がっているような部品を提供している会社が数百億円、数千億円単位で成長しているからといって、その成長が国や地球の富を拡大させる広域最適であるとは限らない。

プライシングパワーがあるかどうか?それは財務を見れば明らかである。その企業の存在が周囲の企業のROICスプレッドを高めているか?最終支払主体である消費者に対するプライシングパワーを増しているかという結果が全てを説明する。

廉価商売では従業員も経営陣も株主、競争相手、サプライチェーンを巻き込み、全員で貧乏になっていく。エコシステム全体が地球のリスクフリー資産のパフォーマンスを下回る産業は、時間をかけて新しいプレイヤーに取って代わられる。しかしこの時間というのが50年単位であるので、効果が見えにくい。率先して貧乏を普及している当事者は、正しいことをやっていると確証バイアスを深めていくのでなかなか当事者が撤退せず、ずるずると悪循環は続く。

ただしこの安売り競争から脱却するのは想像以上に難しい。高く売れる仕事なんて市場には存在しない、ゼロから作る必要があるにも関わらず、まず高い給与を提示するところから始まる。つまり一定の資本が必要となる。高い給与を提示するためには一等地のSグレードビルで高い家賃を支払う必要がある。高値で仕入れているのに、顧客には安値で仕入れている会社と比べられることになる。プレミアムとは投票活動であるため、100人中99人の投票者に反対されたとしても、たった1%に賛同してもらい、1人ずつ賛同者を増やしていく。賛同者が積み上がってきた頃には他社とは全く違うファン層に支えられるプロダクトになっている。

プライシングパワーを作るのが難しいので、マーケットプレイスを運営する運営者が、出品者のリスクのもと得たよく売れるもののデータを取得し、売れるものを価格の低いプライベートブランドで売ってしまうという利益相反が発生する。これは独禁法違反をはじめとした不正競争だろう。銀行が優良貸付先のみの株式を集約し始めたら、良い事業はすべて銀行が保有することになる。これが起こると自由競争が阻害され、技術革新が起こらなくなるため、財閥解体、銀行法をはじめとする健全化が図られた。

しかし市場の失敗は歴史を変えて何度も再発生している。

プライシングパワーを発生させる事業は、地球の資源が限られていることを前提に、逆に余っている貨幣を最大限集めるという重力発生装置であるべきなのである。

地球の免疫反応はゆっくりと時間をかけて、大きな力で顕在化する。

孫の代以降存続できない家系や事業というのは、長期の免疫系に追い出された結果なのである。フリーライディングは長期的には許されていない。自分の人生をかけていた仕事が実は地球免疫系にとっては遺伝子以上の癌であったという悲しい結果にならないようにしたい。