LAPの厳密な理解

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LAPの厳密な理解

物理における最小作用原理をTANAAKKではLAP(Least Action Principle)と呼んでいる。LAPは元々物理学の背景にある、自然界の物事は無数の試行錯誤のうち最小作用の状態に収束するという経験値であり、物理学の背景哲学である。このLAPは物理同様、地球上の経済においても前提条件であり地球、宇宙の背景力学である。

LAP=空間的経路最適化問題

LAPのラグランジアン公式は「(運動エネルギーT(Kinetic Term)-(ポテンシャルエネルギーV(virtusラテン語で力)=ラグランジアンLの時間積分である作用Sの変分が停留する値(δS=0)をとるときの経路であるとする。」作用S=“Sum” or “Integral” of Lagrangian over time 

ラグランジアンの原理原則を応用することで、事業の始まりから終わりまでを予測するためのモデルを手に入れることができる。

経路に対する制約条件

たとえば、aからbに1000km移動しようとするとき1万キロの高度で飛びたいとして、「位置エネルギー」(重力場など)の影響はあっても大体決まった燃料消費に落ち着くような公式に作用が収束する(例えば現代の旅客機)。ヘリコプターやプライベートジェットもあり得るものの、最小作用ではないため旅客機がメジャーな選択肢となる。旅客機の安全運行性や燃費性は継続的にイノベーションが起こる。つまり、目標が明確であれば経路は自動的に最適化されるのである、これがLAPの特徴だ。作用Sは運動エネルギーからポテンシャルエネルギーをマイナスしたとき、t1からt2の時間におけるエネルギーの時間積分の総和である。このaからbに移動したいというパターンをSとした時に、Sの公式はもっとも作用Sの変分が少ないルート(δS=0)に落ち着く。

a地点からb地点まで移動するという運動エネルギーがあった時に、横風や雷雨などの運動を邪魔しようとするノイズがあるとする。風や雨の影響を加える場合は散逸項・ノイズ項を加えることになるが、多少の抵抗があったとしても似たような数値(何分でつく)に落ち着く。

LAP適用のポイント

  • 最小作用経路は必ずしも直線ではない(風に逆らうよりも遠回りが効率的になる場合もある)
  • 気象条件が変わっても、「ある程度」似た燃料消費に収束するのは、飛行システムが変分最適化に対してロバスト(頑健)だから

「大体決まった燃料に落ち着く」ことは、「LAP的な経路が外乱の下でも近傍の極小を形成している」からだといえる。

ラグランジアンの公式

最小作用原理では次のような式を使います:

\[S = \int_{t_1}^{t_2} L(q, \dot{q}, t) \, dt\]

「dt」は時間に沿った積分に使われる微分変数「微小な時間変化量」。つまり「時刻tから少し先のt + dtまでのL(ラグランジアン)の合計(積分)」を表している。

最小作用原理の適用範囲

LAP(最小作用の原理)は経路最適化の法則であって、『どこに向かいたいか』についての問題ではない

例えば、光は照射されれば、重力の影響を受けながらも大体決まった方向に飛んでいく。光に向かって、大声を出しても、息を吹きかけても光の通る経路は変化しないだろう。しかしながら、光源と行き先についてはLAPでは決めることはできないのである。

最小作用の原理(LAP)とは?

📘 LAPとは何か?

最小作用の原理(Least Action Principle)とは:

「初期状態(位置・時間)と終状態が与えられたとき、自然界の系は、その間を結ぶ運動のうち、作用が極小(または停留)となる経路を選ぶ」

つまり:

  • 出発点と到着点が決まっている(端点固定)
  • **どの経路で行くか(How to)**が問題
  • どこに向かいたいか(Where to)は事前に与えられている

LAPには「目的地の選択」は含まれない

LAPは目標(ゴール)の最適選択問題ではない。経路の最適化問題(関数空間上の変分問題)である。

この最小作用原理の適用原則を当てはめると、面白い事実が見えてくる。

例えば、新規事業で業績を増やしたいという大企業があったとしても、1000社に1社しか新規事業を収益化できないとする。

経路最適化問題は、目標に対してロバストネスを持っているというポイントを思い出して欲しい。目標の座標が正確であれば多少の抵抗があったとしてもLAPの原則からすると、狙った場所に大体行く方が自然であり、狙った場所に行かないということは、実は狙ってもいないということである。LAPの特性は、試行錯誤を繰り返せば必ず経路最適化されるということで、逆に最適経路が発見できないということはゴールの座標が指示できていないということになるのだ。

本当は誰も新規事業の推進者に主体的になりたくないにも関わらず新規事業を起こそうとしている場合は、新規事業を考えて、やったふりをしてやめるまでのエネルギーがもっとも少なく済むような経路で最後は撤退で最適化、具現化される。

つまり、どんなに訓練しても売上を伸ばすことができないセールスマンがいた場合に、そもそもゴールがない可能性が高いのだ。売上を伸ばすということの自分に対する見返りがなんであるかがわかっていない。頑張っているふりをして減収減益に着地させようとするので、毎年減収減益になる。翻ってみれば、会社のトップ、リーダーが表面上は成長を謳い、実際のところは縮小したいと願っているということになる。制限時間内に解法が発見できなかったということはそもそもゴール目指していなかったということが明らかになったと断言すべきである。「おしい」というのは負けた人の言い訳の大半の理由である。 「できた」と「おしい」には100と0の差がある。「おしい」は一生、勝利には繋がらない。

あるいは、質量の軽い紙飛行機で飛ぼうとしても空気抵抗で遮られる。(ただしゴールが明確であれば手段は変わるので、ゴールがある場合はすぐに修正される。ゴールがない場合は修正されない)

LAPの最小作用経路確定のロバストネスを生むためにはある程度ノイズとなるエネルギーを予測し、物理的に遮られないような出力を選ぶ必要がある。しかし、この「飛び方」は目標が正しければ学習によって当然発見される手段であって、手法が発見できない、または制約された資本制限や時間制限の元で発見することができないとするとそもそも制限時間内にゴールを目指していないということになるのだ。

✳️ ノイズの影響を受けずに進む物質の例

ニュートリノのような存在は、以下のような抽象的・象徴的意味を持つと捉えることもできる:

  • 「意図が完全に定まっていて、いかなる外的干渉も意味を変えない存在」
  • 「空間構造において、あらゆる散逸項を無視して進み続ける経路」
  • 「構造的自由度が極限的に高く、観測者の干渉を受けないもの」

「意図が正しければ経路は自然に現れる」という命題の例としてニュートリノによる情報伝達は参考になる。

✅ ニュートリノは、LAP的には「外力を無視できる理想粒子」である

特性LAP視点での意味
相互作用がほぼない変分経路に外乱項が加わらない
エネルギー損失がない経路上の作用が純粋に T − V の積分で済む
遮られずに進むδS = 0 の経路が遮断されることがない
物理構造に干渉されない意図や構造が極めて純粋に保たれる存在の比喩にもなる

✅ ニュートリノは「弱い相互作用だけに反応する」

ニュートリノは、次の3つの基本相互作用のうち:

相互作用反応するか
重力相互作用⭕ ごく弱く反応する(質量があるため)
電磁相互作用❌ 反応しない(電荷ゼロ)
強い相互作用❌ 反応しない(クォークと関係しない)
弱い相互作用⭕ 反応する(これが主な相互作用

まとめ

「飛ぼうとする意志が真に定まれば、飛び方は作用原理を通じて自然に選ばれる」
「実現する意思が強ければノイズの影響を受けない情報伝達手段が確立される」
「飛び方が出てこないということは、実のところ“目指していない”のである」

つまり、世の中が動かないのは、自分が動こうとしていないからである。