ROICを前提とした賞与支払いのベンチマーク

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ROICを前提とした賞与支払いのベンチマーク

📘 賞与支払いの基本原則(案)

1. 賞与支払いの前提条件:ROICベースの健全性

🔹 必須条件(両方を満たすこと)
前期ROIC ≥ 5%
当期予測ROIC ≥ 5%
📌 ROIC算出方法
分子:NOPAT(営業利益×0.65 または 営業CF×0.65 のいずれか小さい方)
分母:自己資本(CMS預け金や借入金を除く)
🧠 なぜ5%以上が必要か
円ベースのリスクフリーレートが約5%であるため、それを下回るなら「米国債への投資の方が合理的」と判断される。したがって、企業としての最低限の存在意義を保証する水準が「ROIC 5%」。

2. 賞与支払上限の定義とベンチマーク

🔹 原則上限
NOPATの10% を支給上限とする。
🔹 成果が高い場合のインセンティブ
SPY10Y(S&P500の10年平均、2025年時点では13%)を上回るROIC を達成した場合、越えた部分については:NOPATの20% を賞与支払いの上限とする。

3. 賞与の配分方法と思想

📊 配分方法
報酬委員会が「職責」と「功績」に応じて案分する。
💡 背景思想
利益が増えれば賞与総額も増える。
少人数で回すほど一人あたりの賞与は増える(生産性向上へのインセンティブ設計)。
ROICの最低水準が5%(ROE換算)。上場企業のROEベンチマークは約10%。
企業全体平均ROEは5%前提だが、新規事業においてはROIC 100%超を目指しておかないと全体のROEは底上げされない(調達した全ての資本を使用することはできないため)。


4. ROIC改善の三原則

  • 元本(自己資本)を減らす
    • 金利水準を超える投資のみに絞り、低収益資産の圧縮。
  • ROIC目標より低金利の負債にオフバランス
    • 資本コストが高価な株主資本から、安価な負債に振り返る
  • NOPATを増やす
    • 収益性と成長性の高い案件に集中し、税引後営業利益を最大化。

Total Payout Ratio to FCF

  • 世界で最も優れた資本効率を持っている企業がどのくらいの配分を実現しているか
    • AppleのFCF payout ratio=配当➗FCF=約15%
    • 純利益の約15%を配当に回している
    • 自社株買いを合わせたTotal payout ratio to FCF は102%
    • つまり、毎年生まれる純利益を超える金額を株主還元している