SWIFT vs CIPS
🌐 SWIFTネットワークにおける主要通貨の国際送金シェア推移
SWIFTは、国際送金における通貨別の取引量を追跡しています。
📈 主要通貨の国際送金シェア(2024年11月時点)
- 米ドル(USD) 約47.6%
- ユーロ(EUR) 約22.2%
- 英ポンド(GBP) 約7.2%
- 日本円(JPY) 約3.4%
- 中国人民元(CNY) 約3.89%(前年同月比で上)人民元は、2024年11月時点で国際送金における第4位の通貨となり、前年同月比で22.12%の増加を記録。
データの範囲: SWIFTの統計は、MT 103、MT 202、pacs.008、pacs.009などのメッセージタイプに基づいており、金融機関間で交換された取引情報を集計しています。
注意点: SWIFTの統計は、SWIFTネットワークを通じた取引に限定されており、他のチャネル(例:CIPSなど)を通じた取引は含まれていません。 また、金融機関の市場慣行の変更や新しいメッセージタイプの採用により、統計値が変動する可能性があります。
中国人民元(RMB)の国際取引において、SWIFTネットワークで捕捉されている割合は、実は人民元の国際決済の「一部」にすぎないという点に注意が必要です。
✅ 回答の結論
🔹SWIFTで捕捉されている人民元の国際決済シェア(推定)
- 2024年11月時点:SWIFTでの人民元シェアは約3.89%
- これはSWIFTネットワーク上の「全通貨」国際決済のうちの割合であり、
- 人民元全体の国際取引の中でSWIFT経由で捕捉される割合は50%未満(と考えられています)。
つまり:
🔍 人民元の国際取引の大部分は、SWIFTではなく、中国独自の「CIPS」ネットワークで処理されている可能性が高い。
🧭 背景:CIPSとSWIFTの補完関係
🌐 CIPSとは?
- **CIPS(Cross-Border Interbank Payment System)**は、中国人民銀行主導で構築された人民元建ての国際決済システム。
- 中国の銀行や海外の一部金融機関が接続しており、
- SWIFTを介さずに人民元建ての取引を直接処理可能。
🆚 SWIFTとの比較
観点 | SWIFT | CIPS |
---|---|---|
拠点 | ベルギー | 中国(PBoC傘下) |
通貨 | 多通貨 | 主に人民元 |
送金ルート | 主に米ドル経由 | 人民元中心 |
捕捉対象 | 多通貨の決済全体 | RMB決済の中国独自分 |
カバレッジ(人民元) | 一部(最大で50%未満) | 増加傾向あり |
📊 推定データ(非公式・SWIFT + CIPSベース)
以下は推定:
- 人民元のクロスボーダー決済総量のうち:
- 約30〜40%がSWIFT経由
- 約60〜70%がCIPS経由
SWIFTのレポートでは、RMBの国際利用率は**4位(約3.8〜5%)**に位置づけられていますが、これはSWIFT経由に限ったシェアであり、人民元全体のグローバル流通量の氷山の一角にすぎません。
🔎 補足:なぜ人民元はSWIFTを使わないのか?
- 米ドル支配を回避したい中国の政策的判断(デカップリング)
- 制裁リスクの回避(例:SWIFTからの排除)
- Belt and Road Initiative(BRI)圏との直接人民元取引が進行中
✅ 要約
質問 | 回答 |
---|---|
SWIFTが捕捉できる人民元取引の割合 | 概ね30〜40%程度(推定) |
残りはどこで処理されているか? | **CIPS(中国の決済ネットワーク)**経由 |
CIPSの役割 | 人民元国際化の基盤インフラ。SWIFTの代替または補完 |