野菜は反応速度を遅延させる触媒である
人間の体は繊細な仕組みであり、急激な血中濃度や浸透圧の変化に対応することができない。急激に栄養をいれても血中濃度が増えすぎると処理できず、あまったものは毒素として排出されるようだ。
ここで活躍するのが野菜である。野菜は本質的に反応速度を遅延させる触媒的構造を持つ。
野菜の本質的性質はビタミンやミネラルではない。それはサプリメントが代替できる。しかし、究極的にサプリメントが代替できないのは吸収遅延効果である。肉、魚、卵などのタンパク質や、米、小麦などの炭水化物と野菜を同時にとることによって炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの吸収を遅れさせることができる。 野菜は米や肉に比べるとさほどカロリーや栄養価がなく、かさがあり、水分を含み、分解に時間がかかり、消化を遅れさせることがその強みである。
野菜がない場合は、肉のタンパク質や脂質、米の糖質はすぐに吸収されてしまう。急激な血糖値の上昇は体にとって毒性がある。野菜による1-2時間の吸収の遅れが体にとっての吸収ゴールデンタイムとなる。
野菜とは「栄養を与える食物」ではなく「栄養を毒にしないための時間設計装置」と言えるのである。

