197Au 金の原子核内部構造、原子構造(6s5d)、分子構造
1. 金の原子核構造
金の原子番号は 79 であり、原子核内には 79個の陽子 と 118個の中性子 が存在します。質量数は 197 です。
- 陽子数(原子番号):79
- 中性子数:197 – 79 = 118
金の原子核は、非常に安定した構造を持ち、他の重い元素と比べて中性子と陽子の比率がほぼ 1:1 です。金のような重い元素では、陽子間のクーロン反発(正電荷同士の反発)を打ち消すために、中性子が必要不可欠です。金の原子核は、核力と呼ばれる強い相互作用によって安定しています。
2. 金の原子構造(電子配置:6s, 5d)
金の電子構造は非常に興味深いです。金は、最外殻電子が 6s と 5d 軌道に配置されています。
金の電子配置
- 電子配置:[Xe] 4f⁄¹⁴ 5d¹⁰ 6s²
- 金の最外殻における 2つの6s電子 と、 5d軌道に10個の電子 が関与しています。
- 6s軌道 と 5d軌道 が主に金の化学的特性を決定します。金は、5d軌道がほかの金属に比べて 非常に弱く結びついているため、化学反応や導電性が特徴的 です。
6s と 5d 軌道の特徴
- 6s軌道:金の最外殻の 6s軌道 は比較的高いエネルギー準位にあり、化学反応で重要な役割を果たしますが、金の化学反応性は比較的低いです。これが金が非常に安定した金属である理由です。
- 5d軌道:金は 5d軌道に10個の電子 を持ち、これが金の導電性や金属光沢に大きな影響を与えています。特に、d軌道の電子 が金属間結合を強化し、金を非常に良い導体にしています。
このように、金の原子構造は 6s軌道 と 5d軌道 の 電子の配置 によって特徴づけられ、金の化学的および物理的性質に大きな影響を与えています。
3. 金の分子構造(結晶構造)
金は、面心立方格子(FCC)構造を持つ金属です。この結晶構造は、金の物理的性質に大きな影響を与えます。
面心立方格子(FCC)構造
- FCC構造 では、金の原子が 立方体の各角と面の中央 に配置されます。これにより、金の原子は非常に密に詰まった配置を取ります。
- これは、金の金属光沢や高い導電性、展性(引き伸ばしても壊れにくい性質)など、金属的特性を作り出します。
FCC結晶の特徴
- 高密度:金は非常に密に配置された原子を持っているため、高密度(19.3 g/cm³) を持ちます。
- 高い展性と延性:金は 非常に延びやすい 金属で、薄く延ばしても壊れません。これは、金の FCC構造 が金属間の滑りを容易にし、強い原子間結合を維持しながらも変形しやすいからです。
金の金属光沢
- 金が持つ 金属光沢 は、このFCC構造により、金の電子が自由に動けることから生じます。金の原子は、自由電子を提供し、光を反射させるため、金属の特有の光沢を持っています。
4. 金の特殊性
金の特異な性質は、金属結合の強さと5d軌道の電子配置に基づいており、これが金属光沢や高い導電性を生んでいます。また、金は非常に 化学的に安定しているため、腐食や酸化に非常に強く、化学的にほとんど反応しません。この特性は、金が非常に長い間「価値の象徴」として用いられてきた理由でもあります。
まとめ
- 原子核構造: 金の原子核には79個の陽子と118個の中性子があり、質量数は197です。
- 電子構造: 金の最外殻は 6s² 5d¹⁰ という配置で、これが金の化学的および物理的性質に影響を与えています。
- 分子構造(結晶構造): 金は 面心立方格子(FCC Face Centered Cubic)構造 を持ち、高密度で展性に富み、金属光沢があります。
このように、金は 非常に安定した原子構造 と 独特な金属結晶構造 によって、物理的にも化学的にも他の金属とは異なる特性を持つ元素です。

