Brand Semiotics|汎用言語表現を省略し、文化的シグナルとなるためのシンボリックなカルチャーコード、アイコニックなシグネチャをブランドスタイルとして確立するには

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Brand Semiotics|汎用言語表現を省略し、文化的シグナルとなるためのシンボリックなカルチャーコード、アイコニックなシグネチャをブランドスタイルとして確立するには

TANAAKKグループでは、GAASコンセプトを基本として、BtoB、BtoCともにM&Aによる業態拡大をしており、ファッションメゾンからジュエリー&ウォッチまでの拡大を計画している。ここで、化粧品業界はどうなるかというと、

化粧品業界は以下の理由で現在は対象外としている。

・基本水+油+界面活性剤なので元素レベルでのイノベーションはほとんど起きていない

・バイオ技術(抽出、カプセル、ペプチド、微生物叢)などの細胞まで届ける技術には多少イノベーションがあるが、薬効までいくと製薬になるので化粧品で効くものは構造的に作れない

・価格形成はブランド・ケースの見た目や名称が中心

・にもかかわらず顧客への売り方が薬効によりがちでミスリードしやすい

セールストークのミスリーディング

DiorやLVのようにマスカラやファンデーションを主力にして、肌に影響のない水と油を高額で薬効を語らずに売るならよい。TANAAKKは役員陣に医学博士がおり、ライフサイエンス分野に進出する可能性もゼロではないが、化粧水や美容液をコアとして進出するのは永遠に真理に辿り着かないので危険な構造である。

スタートアップでは化粧品や美容機器で成長し、上場する企業は多数あるが、美白や毛穴の引き締めなどにセールストークが簡単にミスリードする。薬剤師が売るわけではないからだ。売る側が素人としてセールスKPIを設定され、セールストークしているうちに薬効を信じこんでしまう。

一方ファッションの方が価格が高かったとしても医療業界には侵食しないし、ミスリードしないのでよい。衣服やランジェリーに対して美肌効果を語ることはないだろうし、時計やジュエリーなどのアクセサリーは機能や実用性で買うのではなく、最初から記念や褒章としての贅沢品として買うので、値段のアップサイドがある。さらに数百万円〜数千万円台のラグジュアリーは世代間の引き継ぎや一生物としての形見になる。数億円を超えると一点もののオークション販売になる。

アップサイド青天井の文化遺産の領域に入るためにはロゴのシンボルマークやブランド名ではなく、アイコニックなスタイルにより、シグネチャとなり、言語コミュニケーションが省略され、文化的コードになるようなマテリアルミックス、幾何学的パターン、スタイル、ブランドコードの最小要件を確立する必要がある。

例えばヴァシュロンコンスタンタンのトラディショナル、オーデマピゲのロイヤルオークやパテックフィリップのノーチラス、ロレックスのデイトナ、ヴァンクリーフアーペルのアルハンブラやソクラートなど。ロゴが付いてなくても形だけでわかるシンボリックなブランドに変化させ、数十年熟成させないとハイアラーキーのあるデータスキーマを持った高価格帯ブランドには到達しない。