京繍(きょうぬい)

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京繍(きょうぬい)

京繍(きょうぬい)とは

  • 「京繍(きょうぬい)」とは、京都で発展した日本刺繍の伝統技法
  • 正式には「日本刺繍(にほんししゅう)」の一派で、京都の染織文化と結びついた刺繍芸術を指します。
  • 金糸・銀糸・絹糸を用い、能装束・打掛・祭礼衣装・寺院荘厳具などに施されます。

特徴

  1. 豪華さと格式
    • 金糸・銀糸を多用し、光沢や立体感を重視。
    • きらびやかで格調高い仕上がりが特徴。
  2. 技法の多様性
    • 平縫い、駒縫い、繍箔、相良繍など数十種類の技法が体系化。
    • 立体的な表現や陰影の表現に優れる。
  3. 装束との結びつき
    • 平安時代以来の装束文化に深く関わり、能装束・婚礼衣装・神仏具に欠かせない存在。
    • 西陣織と並び、京都の装飾美術を代表する。

歴史

  • 起源は奈良・平安時代の仏教荘厳具や貴族装束の装飾に遡る。
  • 室町時代〜江戸時代にかけて、西陣織と並行して発展
  • 江戸時代には御用職人制度により幕府や公家・寺社の衣装に京繍が多用された。

人間国宝(重要無形文化財)

京繍は「重要無形文化財(刺繍)」として指定されています。

現代における役割

  • 高級和装や舞台衣装に今も使用される。
  • 美術工芸品としての京繍作品は海外でも高い評価。

✅ まとめると:
京繍は「西陣織」と並ぶ京都の装飾芸術で、豪華な金銀糸刺繍を特徴とする日本刺繍の代表格。能装束・婚礼衣装・祭礼・仏教美術に不可欠で、人間国宝も指定されている伝統工芸。

京繍の代表的技法一覧

技法名読み方特徴・内容
平縫いひらぬい最も基本的な刺繍技法。布地に平行に糸を渡す。模様の色面を構成する。
縫い切りぬいきり図柄に沿って糸を刺し、縁を整える仕上げ的な技法。
駒縫いこまぬい金糸・銀糸を糸で留めつける技法。豪華で立体感のある効果。能装束や打掛に多用。
相良繍さがらぬい小さな玉状の結びを連ねる。ビーズ状の立体感が出る。
繍箔ぬいはく箔片(金箔・銀箔)を糸で留める。光沢を活かした豪華な表現。
平 couchingひらコーチング金糸・銀糸を布面に平行に置き、上から細い糸で止める。
乱れ縫いみだれぬい不規則に糸を渡し、陰影や柔らかさを表現。自然の模様に用いられる。
撚り金縫いよりがねぬい撚った金糸を使い、厚みと輝きを強調。
影縫いかげぬい濃淡の糸を使い分け、陰影や立体感を出す。
まつい縫いまついぬい布の上に糸をかけ渡して模様を形成する技法。装飾的。

特徴まとめ

  • 豪華さ:金銀糸・箔を多用 → 婚礼衣装・能装束に不可欠
  • 立体感:相良繍・駒縫い → ビーズや浮彫のような効果
  • 陰影表現:乱れ縫い・影縫い → 絵画的表現が可能