ゼロナレッジプルーフの経営

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ゼロナレッジプルーフの経営

世の中には不正競争防止法や独占禁止法に触れるようなConflict of Interestのリスクをマネジメントできていない大企業やスタートアップが散見される。規模の経済は利害関係者全員の利益調整無くして実現することはない。他人の家の中を荒らすような戦略は許されていないし、非効率なのである。

例えばGAASでは誰もが知っている大企業の取締役会の情報から基幹システム、セキュリティまでの情報を有している。この情報は、特定法人顧客の戦略について策定するためだけに利用され、その他のプロジェクトにおいて転用されてはならない。

つまり、ナレッジトランスファーや横展開は理想的な美辞麗句ではあるものの、本当に収益を産むような情報は横展開してはならないという暗黙の了解があるのである。したがって、世の中で大量に普及しているような情報は、概して収益に関係のない情報ということとなる。

ROIC経営、フリーキャッシュフローイールド、オペレーティングレバレッジという原理原則をルール化し、それぞれのプロジェクトチームの情報は報告させずにそれぞれの島で自律的に成長させるということが必要となる。いわゆるグローバル銀行の投資銀行部門や大手4大弁護士事務所などのポジショニングと同じである。

これでは重要な情報を知った社員が独立してしまうのではと危惧する経営者がいるかもしれないが心配無用である。ビジネスは売りと買いの構造により成り立つのであり個人のスキルや人脈には依存しない。たまたま個人のスキルと会社で得た人脈で数千万稼げる人はいるかもしれないがそれはその人の実力である。しかし、TANAAKKであれば他で数千万稼ぐ実力のある人は数億稼ぐことができる。所属するメリットがあれば辞めて低い給与にしたいとは思わないのだ。

企業の経営企画部等は他社の情報を知りたがるが、実際に他社の情報を知ったところで自社が稼げるとは限らない。ROICスプレッドを高めていくということは、自分自身との戦いであって、競争相手の動きを見て自分の動きを変えるようなものではないからだ。

したがって、経営は常にゼロナレッジプルーフで進むのが最小作用原理にしたがっているということになる。秘密情報の開示をされなかったとしても外形だけで判断できる情報を元に、クライアント企業のコアを変革する構造的な建設アクションが求められる。

相手のことをほぼ聞かずに、相手の課題を特定し、自然と課題を解くような動き方でないと、時代の塗り替えるような次の100兆円企業を作るのに時間がかかりすぎてしまい、自分の寿命が終わってしまう。つまり、「何も知らずに世界最速で世界一になる」という工夫が必要なのである。

何も記憶する必要はないし、目まぐるしく変化していく景色を記録するようなストレージもメモリ容量も人間は大して有していないのである。ただただすぎていく急成長を眺めるだけで良いのである。

ゼロナレッジプルーフは最小作用にして最大効用の経営メソッドである。