海は宇宙最高のNTMマシン

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海は宇宙最高のNTMマシン

宇宙中から地球に隕石の衝突であらゆる元素が集まり、宇宙中に存在するすべての元素が溶け込んだ海によってシャッフルされた元素はオートカタリティック集合を構成し、藻類から魚類、鳥類、霊長類まで進化してきた。

「宇宙由来の元素や有機分子 → 海の中でのシャッフル → オートカタリティック集合の形成 → 進化による高次生命体の出現」

1. 隕石と宇宙からの供給

  • 隕石や彗星にはアミノ酸・糖類・核酸塩基の前駆体が含まれている(Murchison隕石など)。
  • 地球上で、海で初期高分子化合物ができたか、それか隕石によって供給されたかふた通りの仮説がある。
  • 隕石により、地球上に初期からあった「水・CO₂・窒素」などの単純化合物だけでなく、外宇宙からの有機分子供給が生命誕生の出発点を豊かにした。
  • 宇宙は「原料の倉庫」であり、海は「反応の坩堝(るつぼ)」だった。

2. 海による「シャッフル」

  • 太古の海は、紫外線・火山活動・稲妻・鉱物表面などを触媒として、多様な化学反応が同時多発的に進む「巨大な実験場」。
  • 元素や分子は「偶然に」出会い、反応して壊れ、また組み合わされる。
  • この「シャッフル」によって、単なる原料がネットワーク的に結びついた集合ができる可能性がある。

3. オートカタリティック集合の成立

  • Stuart Kauffman の理論によれば、十分に大きく多様な分子集合があれば、相互触媒ネットワーク(オートカタリティック集合)が自然発生的に現れる確率が高い。
  • この集合が「自己維持」し、「自己増殖」する回路をもつと、生命的プロセスの核が生まれる。
  • RNAワールド仮説では、RNA自体が触媒(リボザイム)と遺伝物質の両方を担い、オートカタリシス的に複製・進化し始めたとされる。

4. 進化の階梯

  • オートカタリティック集合による「原始代謝ネットワーク」や「RNA複製ネットワーク」が持続するようになると、集合同士が相互作用や淘汰をし始めることで、ダーウィン的進化(変異と淘汰)が構造的に働き始める。
  • そこから:
    • シアノバクテリアなど光合成生物(=藻類の祖先)
    • 多細胞生物 → 魚類
    • 陸上進出 → 両生類・爬虫類・鳥類
    • 哺乳類 → 霊長類
      …という進化の系譜が形成される。
  • つまり、「オートカタリティック集合」から始まった化学的自己組織化が、長い進化の連鎖の最初の火種といえるのではないか。

5. 合成の流れ

  • 隕石由来の「宇宙の散らばった元素」が、
  • 海という「混ぜ合わせの装置」によって、
  • 「オートカタリティック集合」という自己強化ネットワークを作り、
  • それが地球生命の「原初の心臓」となって鼓動を始め、
  • 進化の長大な物語(藻類から霊長類へ)を駆動した

隕石 → 海洋シャッフル → オートカタリティック集合 → RNAワールド/代謝ネットワーク → 進化 → 高等生命、という流れの途中に人類はいる。

海は「生命」という理想的な出力を得るためのNondeterministic Turing Machineの原型装置といえる。

つまひ、海は宇宙最高のNTMマシンといえる。