同じものを高く売るか安く売るか

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同じものを高く売るか安く売るか

タナークの事業で一つの実験をしたことがある。需要が十分にある製品を高く売るか、安く売るかという2択である。具体的には博多駅前のレンタカー1台を1日2500円で貸すのと、1日5000円、7500円、10000円、12500円で貸すという、賞味5倍の価格差レンジの5パターンでどの価格がもっともROICが高いかという実験である。

ちなみに1日2500円は近隣で1番安く、12500円は近隣で1番高い。結果は1番高い12500円だった。不思議と2500円で借りるユーザーは事故率が2%ととても高く、12500円で借りたユーザーは事故率が0.5%程度と事故率にも4倍近くの差があった。

安い価格で借りるユーザーは事故の報告をしなかったり支払いをせず逃げるユーザーもいたが、高単価で購買するユーザーは事故を起こした責任について当然支払いするという姿勢がある。

モダンビジネスにおいて価格はほんの一つの比較要素でしかなく、安いから買うというユーザーは多いのは確かだが、高いから買わないというユーザーが多いかというと、そうでもないのだ。

売り手が恐れているほど、買い手は値段のみを気にしているわけではない。1%のプレミアムユーザーは金と時間に余裕を持ち、世界中で良いものを探している。よいものがあれば日本まで買いに来るのだ。購買意欲は想像以上に強い。