マージン率について

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マージン率について

労働者派遣制度における派遣会社のマージンは公開されている。

派遣会社のマージン率等について|厚生労働省

派遣業は3年間雇用した場合には契約社員か正社員として雇用する前提で人材提供されるということは人材紹介業の延長線上の制度と考えられる。

この派遣業において、マージン率は30%から40%に収まる会社が多いようだ。マージン率は派遣提供価格に対する労働者の基本給である。マージン率40%と聞くと高いようにも感じるが、実際にはここから社会保険費用、IT管理費用、事務所運営費用、営業費用、採用費用、教育訓練費など全て引かれるため、40%としても営業利益率は限界利益率は10%-20%ということになる。

企業/業態指標マージン率根拠となる公開データ
パソナ(一般派遣)派遣マージン率約25–35派遣マージン率の定義と公開義務を厚労省が案内。各社・各拠点で概ねこの帯に収れん(全国一覧は厚労省サイトに集約)。
テクノプロ(技術者派遣)派遣マージン率約25–35%会社資料には平均単価・稼働率等はあるがマージン率は拠点公開方式。一般に技術派遣のマージンは30%前後が中位帯。
アクセンチュアGross margin 32.6% / 営業利益率 14.8%47.5%FY2024のGross margin 32.6%SG&A 17.1%Operating margin 14.8%
AppleGross margin ≈46.5% / 営業利益率 ≈30–32%65%〜2024年10-K等で粗利率46%台、直近の営業利益率は約31%。SG&AやR&Dの中の人件費のみを控除した残りはこの間に位置。
NVIDIAGross margin ≈75% / 営業利益率 ≈51–64%65%〜FY2025粗利率は70%台(四半期で一時的な在庫費用で低下も)、営業利益率は50〜60%台。人件費控除後の“残り”はこのレンジ。

マージン率という定義は派遣業以外には存在していないが、高額請求しているように見える高級コンサルティング会社よりも、粗利に対する必要販管費を控除した場合のマージン率はBtoB, BtoCともに製造小売業が圧倒的に高いことがわかる。

マージン率を売上総利益率=限界利益率に対する必要販管費率というように捉え直すと、粗利益額に対して50%以上のマージンが取れるか、50%以下のマージンしか取れないかによって、プライシングパワーがあるかどうかが簡易的にチェックできると言える。なぜ50%以上がプライシングパワーがあると言えるのかといえば、株式の支配比率と同様、発生したGross Marginをどの比率で配分するかについての主導権を握っているかどうかという観点である。

つまり、営業利益率は本来的なプライシングパワーを示さない。プライシングパワーは資本取引に関する分前の配分の主導権を握るかどうかによって決まるため、ROICがベンチマーク以上あるかとともに、創出されている粗利益額に対する販管費率が50%未満であることがプライシングパワーのシグナルと言える。