真のPLOGは財務規律によってもたらされる

Growth-as-a-Service™︎| Decrypt History, Encrypt Future™

真のPLOGは財務規律によってもたらされる

新規事業というと、プロダクトレッドオーガニックグロースを実現できる新たな商品をいかに生み出すか?を考える人は多いと思うが、美しい商品とは広域最適であるため、局所に答えは存在しない。

地球環境という制約条件のもと、投下資本に対するキャッシュフローイールドがSPYパフォーマンスを超えるようなプロダクトは、財務規律によりもたらされる。

不要な資産を持たず、在庫僅少、CCCをマイナスにすることで手元運転資金をほぼゼロにする。運転資本なしのまま営業キャッシュフローを毎年増やし、元本を減らしながら純利益の1.2倍を目処に低コストのデット調達をし、調達したデットは安全資産でスプレッドを取る。営業CFは100%株主配当に回しながらも、本業の営業CFの成長とデット運用スプレッドでフリーキャッシュフローを年々増やす。

プロダクトそのものが組織全体、エコシステム全体を牽引するPLOGはアップルのような財務規律から生まれるものであり、品質や技術でコントロールできるものではない。サプライチェーンの垂直統合や販売チャネルの最適化も、必要十分条件ではない。

地球環境というボトルネックにプロアクティブに対処しながら(カーボンネガティブ)、FCFベースのROICがベンチマークを超え、かつFCFベースのIRRも数十年単位でアウトパフォームすること、これがPLOGの発動条件である。

アップルは現時点でROIC-WACC=EVAスプレッドが世界最大である。世界最大ということはもっとも効率が良い最小作用原理が相対的に働いているということである。

美しさという目標は局所最適行動から生まれるのではなく、時間、地球環境、経済原理などの制約条件から自ずと導き出される広域最適化に伴う副次的成果ということである。