粘り強さは諸刃の剣|粘り強さを生かす2つの前提条件

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粘り強さは諸刃の剣|粘り強さを生かす2つの前提条件

粘り強さそのものは貴重な資産であるが、粘り強さを前提条件なしに発動すると他人の資産を食い潰す結果となる。粘り強さの発動条件とは「時間、地球、経済の制約条件認識」と「後手の反応ではなく、先手の構造」である。

例えば、「時間、地球、経済の制約条件認識」がなければ、粘り強さはグレーゾーンや違法性のある活動、局所では最適だが、地球にとってマイナスな方向へと進んでいってしまう。

先手構造が取れず、後手の反射で対応していると、依頼された仕事に無我夢中に取り組むことになり、便利屋にはなるが、器用貧乏に陥る。粘り強さは予知、予測の元で、正確にコントロールしなければ結果には結びつかないのである。予知、予測がないにもかかわらず、粘り強さだけを発動していれば報われると安易に思考停止している人は予想以上に多い。予知、予測という一見無駄になってしまうような作業にこそ、粘り強く取り組むべきなのである。行動をしていないように見えて、周りには評価されないかもしれないが、予知、予測、ストレステスト、耐久テスト、長期間持続するかどうかのシミュレーションを終わらせておかないと粘り強さは悪い方向、あるいは予期せぬ結果をもたらすために発動されてしまう。

粘り強さそのものは非常に貴重な資産だが、制約条件を無視した粘り強さは社会的に害を及ぼす可能性がある。粘り強さを生かすためには、時間、地球、経済の制約条件を認識し先手を打った戦略的構造を構築するための設計、建設的行動取ることが重要だ。
2つの発動条件を満たすことで、粘り強さは社会や自分にとって有益な資産となり、他人の富を奪うのではなく、富を増大する方向性に軌道修正される。どんなことがあっても諦めないという行動習性は重要であるが、その発動による効果が低く、常に赤字体質である人は多い。

粘り強さ(勤勉、努力とも言い換えられる)が悪い方向に行くと、生きている時、表面的には感謝されるように見えたとしてもそれは偽の需要であり金銭的、経済的なAdd Valueをしていないことが時間とともに明らかになると、葬式には誰も来てくれないという結果になってしまう。

粘り強さという資産を自分自身と社会に価値を生み出す結果とするには、より広域で局所的には困難な(しかし広域では容易な)ゴールに向けた厳密なコントロールが必要であり、コントロールのない粘り強さは害悪である。長い時間をかけて、粘り強さが悪い方向に出ると、限られた人生の中で成果をあげることができないということを証明することはある意味研究開発的で良いことではあるが、一回きりの人生でMaxパフォーマンスを出す必要があるという制約条件を持った人間にとって、粘り強さを悪い方向に使うのは一生をかけて後悔しても取り戻せない「時間」や「信用」という資産を失ってしまう。

粘り強さは正しい用法を守って発動すべき貴重な資源である。