人間は命があることによって最小作用原理を発動する

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人間は命があることによって最小作用原理を発動する

  • 水の中で空気が浮上するのを観測者としてみた時、空気に念を送ったから上がったと主張する人がいるかもしれない。実際には比重の違いで、地球の引力と反対方向に空気が押し出されている。
  • これと同じく、経済では、資本収益の高い成功する事業があったときに、観測者は各々の理由づけをする。しかし、的確な観測者にはそれはただの比重の違いであることがわかり、水より比重の高い鉄は沈むし、水よりも比重の低い空のペットボトルは浮くということを知っている。
  • つまり、経済における競争とは、当然浮上してくるものが浮上してくるというだけであり、努力、才能、経験、エコシステム、販売網、製造網、人材、資本など、あらゆる外部者は何かすごい理由を探そうとするが、実際のところ、水と空気のように周りと比重が違ったからにすぎない。
  • 突出するプレイヤーは何度戦っても必ず勝つ。勝つ方法は毎回違うかもしれないが、勝つことには変わりない。
  • 人間が生きている時間制限の中で宇宙の全てを知りたいと思うのは命が限られているからであり、最小作用原理は人間が本来的に持つ前提条件である。
  • 最小作用とは勝つ方法ではなく、ルールの観測にそのコアがある。背景力学の正確な理解をすれば、勝ったものが勝った瞬間に、勝ったとわかるのである。勝ったという事実は即座に判明するが、本当にそれが勝ったかどうか、マーケットや周囲のものたちが認知するのは数年から10数年かかることもある。
  • 勝つ人は勝った人を後出しジャンケンで選んでいるだけであり、勝つかどうかの戦いに時間を使わない人のことである。
  • 命がないAIは、勝つ方法や負けない方法を無限に考えようとする。
  • しかし、生きている人間は勝つ方法や負けない方法よりも、勝利という結果のみがあれば満足するので、本来的に勝つ手法というのは人間には必要がないものである
  • 目的に対する最小限の手数で、勝つ場所にいすわるという習慣を持ったものは、勝つために必要なものについてのこだわりは持たない。何も持たずに、弱いままで、特別な訓練や修行をすることなく、勝ち続けることになる。
  • 必要条件のうち、必要十分条件であるものはわずか0.0001%にも満たない。勝った人が備えている性質の共通点の99.9999%は不要なものであり、勝ち続けるための必要十分条件ではない。負ける人は基本的に色々なこだわりがありすぎると言えるのである。