ルシアン事業構想2025

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ルシアン事業構想2025

M&AやPMIのような複雑系を扱うためには、人間が手触りを持って制御するためにComplexity Reductionによる複雑系の還元が必要である。

目的:Attention-to-Materialization、意思の物質化

命題:企業経営の意義はその自由意思の尊重にある。

→経営者の役割は数字を管理することではない。外見や内面を推し量ることで、本当はこの子は何をしたいのか?法人の人格を尊重し、より自由に動き回れるようにし、本来持っている願望を物質的に叶える方向に導くことである。(Attention-to-Materialization、アテンショントゥマテリアライゼーション、意思の物質化)

3つの基本原則をベースとして、3つの基本ツールキットをフレームワークとし、ルシアンという企業の魂が何を求めて、望んでいるのか?形から、その自由意思を推しはかり、ルシアンが本来持っている願望を世の中に適切に繋げて、物質化していく。

→例えば:ルシアンは偶然産み落とされてしまった神童であるとすると、天才の自由意志を大人がつぶすことなく尊重し、導いていくことができるか?

動機:Topological Miracle Production(トポロジカルな奇跡の再生産)

急成長する企業は個人の力を超えた不思議な力で押し上げられていく。経営はこの宇宙の仕組みを知ることと同義である。例えば、あらゆる宇宙の粒子は10億回マターとアンチマターが衝突して、10億回に1回だけ残った粒子で構成されている。(Topological Miracle Production(トポロジカルミラクルプロダクション、位相的な奇跡の再生産))経営も同様に、形式的な反復習慣の中で10億回のチャレンジのなかに1回くらい偶然に発生するたった1回の奇跡を体験することで、位相的なシフトをしていく。つまり、管理するだけではなく、奇跡を意図的に起こしていかないと、業績のブレイクスルーを実現することはできない。(Topologicalとは:トポロジカルとは数学、物理学用語であり、一見関係のなさそうに見える2つの対象が実は共通している性質を持つということ。例えば、猫と鳩は哺乳類と鳥類で違うがどちらも脊椎動物。topological は、英語の「topology(位相)」に由来する形容詞。「topology」はギリシャ語の τόπος (topos = 場所、位置) と λόγος (logos = 論、学問) に由来。)

→つまり、奇跡は定期的に起きているが、トポロジカル(異形同質、毎回違う形だが、共通の性質)に発生するので、慣習にとらわれている(昨日と同じことを今日やらないといけないと思い込んでいる)と、形を変えて奇跡が起きているのにそのことに気づかず、奇跡を掴み損ねてしまいがちなのである。しかし、奇跡は一度で人生を変えてしまうような力を持つため、これは経営の最大の楽しみである。

3つのフレームワークだけで会社のことを考える

事業が急激に成長すると、情報量は激増し、カオスになってキャパシティオーバーになる。リクエストが激増してしまい、処理が遅れることをコンピューティングではオーバーロードという。オーバーロードによるシステム障害を意図的に起こすハッカー的な攻撃をバッファオーバーフローやブルートフォースアタック(総当たり攻撃)という。スケールに応じて処理が遅れやすいクリティカルパスのことをボトルネックという。会社が大きくなった時に経営者は細かい分類や計算に注力すべきではない。より包括的でシンプルな枠組みを作ることで、膨大な情報を車のダッシュボードや飛行機のコックピットのように扱えるようにすべきである。以下にルシアンの経営を主に3つの原則と、3つのツールキットで理解する手法を提案。

3つの基本原則

原則意味
1.LAP™=Least Action Principle(最小作用の原則)
2.PLOG™=Product Led Organic Growth(製品主導の自然成長)
3.PcLOG™=Principal Led Organic Growth(自己資本主導の自然成長)

3つの数学的ツールキット

要素内容
1.ModelModel(モデル、模型)とは、数学用語で複雑な現象を簡潔に記述・理解・再現できる構造のこと。世界はとても複雑でそのままでは扱えないので、有限数の要素(代数、パラメータ)を選び出し、関係を定義して、全体を簡潔に把握できる形にまとめる必要がある。Modelは、現象のパターンとパターンの破れを抽出し、現実を扱いやすくする知的ツールです。
例 すずめはチュンチュン鳴いて地面を突いている生き物である
2.DualityDuality(デュアリティ、双対性)とは、数学用語で系の異なる現象の二つの側面が互いに類似、対応していることを意味する。→ Dualityにより、人は新しい現象を理解していく。
例 スズメのモデルを知っているので、新しく鳩を見つけた場合に、スズメよりも大きいがスズメのモデルと同じく飛ぶ生き物だと理解する。
3.FunctorFunctor(ファンクター、関手)とは、数学用語で異なる世界(構造、システム)同士の対応関係を作る翻訳機能を意味する。ある構造Aの中の動きや関係を、別の構造Bと対応させる数式です。Functorを発明することで、現象Aと現象Bの間にある構造的対応が見えるようになります。→ Functorを使うと、別の視点・別の領域に現象を移し替えて、Duality現象を理解できる。
例 猫を新しく見つけたが、猫は飛ばない、しかし猫とスズメは同様に近所で生活している動物なのだと理解する。(異なるモデルを翻訳して理解する)

✅ ルシアンの事業部構成案

上記3つの原則と3つの数学的ツールを適用し、ルシアンが本当は何をしようとしているのか?考えていくと、ルシアンは複数のブランドポートフォリオをもち、多様なチャネルで販売、バリューチェーンに応じたグローバルサプライチェーンを有する企業であることがわかる。そのコアは知的財産とデジタルバリューチェーンである(多様な調達、生産、販売エコシステム)。複数のモデルを運用しつつ、デュアリティ比較によって各モデルの堅牢性、柔軟性、回復性を磨いていく。うまく機能するモデルと、新たに課題となっているモデルを比較し、ファンクターを発明する。この3つの原則と3つの数学的ツールにより事業のボトルネックが特定され、解消されていくという好循環を産むことができる。

収益事業部の分類

  1. インナーブランド事業部
  2. インナーODM/プライベートブランド事業部
  3. アートホビーブランド事業部
  4. レースODM事業部
  5. レースサプライヤー事業部
  6. ルシアンインナーEC事業部
  7. COSMO EC事業部

間接部門の分類

⑧ 品質保証本部
⑨ 情報セキュリティ本部
⑩ 人事総務本部
⑪ マテリアル調達部門
⑫経営企画本部
⑬知財、法務、ブランド、R&D

部門具体内容ポイント
① インナーブランド事業部オリジナルブランド(部活ブラ、はつブラ、矯正下着、シニア向けなど)企画開発卸粗利益率30%〜台、製造小売粗利益率60%〜台。ローコストオペレーションの強みを活かしつつ、低〜中価格帯、高在庫回転率で成長。D2Cにも直結。日本、アジア、北米展開。
② ルシアンインナーEC事業部Shopify、Amazon、楽天などD2C展開日本、アジア、北米向け。日本、アジア、北米展開。
③ インナーODM/プライベートブランド事業部大手小売向け(イオン・アカチャンホンポ・ヨーカドー等)粗利益率30%台で数量型B2B事業。安定売上基盤。在庫回転率高い。
④COSMO アートホビーブランド事業部COSMO、100ネエサン、刺繍糸、手芸生地卸で粗利益率55%〜。在庫回転率に課題あり。IP+感性消費市場への展開。日本、アジア、北米展開。
⑤ COSMO EC事業部Shopify、Amazon、楽天等でアートホビー直販日本、アジア、北米展開。
⑥ レースODM事業部寺社向けお守りODM、神社仏閣アイテム卸で粗利益率35%〜。国内向けニッチだが需要が強い。
⑦ レースサプライヤー事業部インナーウェア、(アパレル・家具・自動車)向けレース納入卸で粗利益率35%〜。産業部品供給ビジネス。
⑧ 品質保証本部生産品質管理、製品安全基準対応ISO9001管掌部門
⑨ 情報セキュリティ本部ECセキュリティ、個人情報保護、サイバー対策ISO27001管掌部門
⑩ 人事総務本部採用・教育・労務・福利厚生シェアドサービスとして各事業ポートフォリオにバックオフィス機能を提供
⑪ マテリアル調達部門原材料の調達、企画、開発。サプライヤーの生産能力の把握ジャストインタイムを実現するためのサプライヤーの生産能力の把握
⑫経営企画本部事業戦略立案、M&A、IR、事業ポートフォリオ管理各事業部の投資収益の理解。
⑬知財、法務、ブランド、R&D知財管理、ブランドポートフォリオマネジメント、ハウスビューの醸成(研究開発、アナリスト)グローバルに展開する自社ブランドおよびPB/ODMの契約構造ストラクチャリング、リスク管理

外見と内部の一致

命題:ルシアンの外見は1兆円ポテンシャルを持つ企業である。

なぜなら、

  • **製造小売(D2C)卸売(B2B)**を両方持ち
  • アセットライトな経営で店舗(土地、建物)や工場は最小限
  • 知的財産とデジタルサプライチェーンをコアとする
  • **独自ブランド(IP)**もすでに育成されており
  • 北米・アジア展開の実績もすでにある
  • 取締役会、報酬委員会、労働組合など、過去に大阪取引所1部上場企業だった時の名残がある

ルシアンはその見た目、形は、1兆円企業になる素質をすでに持っている。

なぜルシアンに1兆円ポテンシャルがあるか

強み理由
ブランドIPを持っている・マルチブランドポートフォリオ(粗利益が取れる独自ブランドを複数持つ)COSMO、100ネエサン、LECIENインナーブランド群、レースミュージアム=固有資産(他社が真似できない)
製造小売と卸売の両輪・マルチバリューチェーン、生産能力(PBもODM、OEMも可能)
・マルチチャネル販売網(BtoB(卸、量販店)、BtoCの両方が動く企業は成長しやすい)
アセットライト(上記の特性を持ちながら土地、建物、工場、設備は最小限)
北米・アジア展開の土台がある海外成長率を取り込むことができる準備がある程度整っている。輸出・現地販売拡大が現実的。
素材・製造技術があるインナー、レース、刺繍の独自生産設備→サプライヤーとしても勝てる。多角化できる。
機能組織が拡張できる品質保証、情報セキュリティ、経営企画など、次フェーズに必須機能がグループでシェアどサービスかできる。

→つまり、ルシアンを運営していく経営者が、ルシアンの本心に沿って、見た目から中身まで整えることが必要である。したがって、外部的な見た目(特にWEBサイトドメイン)について整えていく。

WEBドメイン計画

それぞれの法人、プロダクトブランドポートフォリオ、顧客種別(ODM)に応じて分類する。

  1. 株式会社ルシアン www.lecien.co.jp
  2. ルシアンレースミュージアム museum.lecien.com
  3. LECIEN GLOBAL www.lecien.com
  4. LECIEN VIETNAM vn.lecien.com
  5. LECIEN SHANGHAI cn.lecien.com
  6. インナーブランド事業部  inner.lecien.com
  7. アートホビーブランド事業部 cosmo.lecien.com
  8. レースODM事業部、レースサプライヤー事業部 lace.lecien.com
  9. ルシアンインナーEC事業部(ルシアン) square.lecien.com
  10. COSMO EC事業部(コスモ)cosmo.lecien.com

Email ドメイン計画

lecien.co.jp→lecien.comへ(グローバル標準)

.comが40%でドメインシェア1位。.co.jpはグローバルでは使用率1%未満。

総括:減収減益の原因と増収増益の兆し

これまでのルシアン経営の課題は、異なった動物を同じ檻で飼おうとしていたことである。例えば、ルシアンインナーとコスモは全く違うブランドであるので、サプライチェーン、バリューチェーン、SKU、ターンオーバーも全て異なり、同じ考え方で販売することはできない。インナー、コスモ、レース共に独立した調達、生産、販売、ECの機能を持ち、それぞれの部門担当者がいるべきである。Amazonや楽天はあくまで卸売のようなものであるので、基本的には外部サービスであり、コアECではない。COSMOが日本である程度売れているとはいえ、アメリカを開拓するのに片手間では不可能であり、本格的な北米市場開拓をするのであれば、担当者は3人は必要である。

それぞれの部門の規模が小さいながら、各事業が製造小売業になっている点で、「やろうとしていることの大きさが他の企業と比べて圧倒的に大きい」がルシアンという企業の特徴である。ルシアンの「何かやろうとしている」意思を過小評価することなく、必要な資源を配分して、ルシアンの願望を物質化、資本回収と再生産による拡大まで実現させるところまで、短期的なプランから中長期的なプランまでバランスよく導くべきというのが基本的な考え方である。新たなブランド、新たな事業が生まれるというのはトポロジカルな奇跡と考えて良い。ルシアンは過去に様々な事業、ブランドを生み出してきたし、現在でも生まれつつある。奇跡の再生産をすることのできる稀有な企業なのである。

ルシアンの市場シェア(国内)

ブランド国内販売点数平均単価国内売上高国内シェア(金額)国内シェア(点数)海外売上比率
ルシアンインナー300万点1000円30億円0.875%
4000億円
2.25%
2億枚
15%
ルシアンレース200万点250円5億円15%
ルシアンコスモ200万点250円5億円15%
合計700万点40億円6億円

基準(1年の秒換算)

単位換算値
1年 = 31,536,000秒(365日)
1年 = 525,600分
時間1年 = 8,760時間
1年 = 365日
1年 = 12か月
1年 = 1年

ルシアン 各部門・合計 点数 ÷ 時間単位 マトリックス(点換算)

部門秒あたり分あたり時間あたり日あたり月あたり年あたり
ルシアンインナー0.09515.71342.478,219250,0003,000,000
ルシアンレース0.06343.80228.315,479166,6672,000,000
ルシアンコスモ0.06343.80228.315,479166,6672,000,000
合計0.221913.31799.0919,178583,3337,000,000
  • 年間販売点数:700万点
  • 販売ペース:1年あたり31,536,000秒なので
    → 7,000,000 ÷ 31,536,000 = 約0.222点/秒
    1点あたり約4.5秒


ルシアン製品は 約4.5秒に1点売れている 計算。

ちょうど、ルシアンが1年で生産する品目数を1日で生産できるようになれば、年商は1兆円となる。

事業部の機能、機関設計、KPI

ベンチマークを越えるEVAスプレッドを産み出すことのできるLAP, PLOG, PcLOGを原理原則とした分散型意志決定構造組織(Distributed Intelligent Node)。各部門でKPIを設置し、Model, Duality, Functorを発明していく。