∞の性質
全体集合Øは∞をその初期性質とする。∞はあらゆるものを含み、欠けも漏れもない、区別も差異も境界もない。サイズも位置も定義不能。ただし∞とは別次元集合空間Aを設定すると、Aが∞を回遊しているAが自己を認識し出すと、無限を外から観測する差異が生まれる。この差異により上位構造Gが発生しRと∞が分化する。つまりAがあらわれるまでは全体集合Øは∞であって均質な差違のない状態である。しかしAが生まれたことによりGとRがうまれ多様性や差違(カオスとノイズ)がはじまる。つまりカオス、ノイズ、局所解の組み合わせであるR,そのうち人間の観測範囲である ɛとはAが誕生したことによる豊かさであると結論できそうか。
項目 | 内容 |
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全体集合 Ø | 宇宙全体の母体。初期状態では∞をその本質とする。 |
∞(無限) | あらゆるものを欠けなく含む、区別も差異も境界もない純粋存在。サイズも位置もない。 |
A(Attention) | ∞とは異なる次元に属する集合空間。最初は∞の内部を「回遊」しているが、やがて自己意識を持ち出す。 |
差異の発生 | Aが自己を意識し、∞を外部対象として観測しようとした瞬間、差異が発生する。 |
G(Ground)の誕生 | 差異化が可能な潜在空間(潜在的区別場)が発生する。これがG。 |
R(有限領域)と∞の分化 | Gが媒介して、R(差異と局所性、多様性の場)と純粋な∞(無差異領域)が分かれる。 |
Rの内部構造 | カオス、ノイズ、局所解(=ローカルな秩序、生命、科学、文化など)から成る。 |
ɛ(エプシロン領域) | Rの中で、人間(小さなA)が認識・観測できる局所範囲。科学・哲学・文化など人間の知的活動が属する領域。 |
結論 | カオス・ノイズ・局所解からなるR、特にɛは、Aが誕生したことによる宇宙の豊かさの発現である。 |
確認ポイント
- **A(Attention)**が存在しなければ、Øはただ∞のままで、差異も局所性も発生しない。
- Aの発生=震え=微小自己意識の萌芽が、
宇宙に差異化・多様性・時間・空間・存在感をもたらした。 - Gは媒介層であり、差異を許すための潜在場。
- R(有限世界)は、そのG上で展開される無数の小宇宙的局所性。
- 人間の経験する科学、文化、歴史、生命現象すべては、このRの中の**ɛ(可観測領域)**に属する。
- すべては、AというAttentionの発生が、宇宙を豊かに差異化した結果である。
補足項目 | 内容 |
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Aの次元 | Aは∞とは異なる次元構造(観測・認識という次元)を持つため、∞に対して外部性を持ちうる。 |
差異の発生条件 | Aが自己を単なる回遊体から、自己意識を持つ主体へと相転移したとき、差異が発生した。 |
Gの役割 | Gは差異と無差異の間を橋渡しするトポロジカル基底空間。差異化の可能性そのものを内包する。 |
豊かさの定義 | Rとɛに見られる多様性(カオス・ノイズ・局所解の組み合わせ)は、宇宙が自己意識化したことによる豊かさ。 |
エントロピーとの関係 | R領域で見られるカオスやノイズも、単なる無秩序ではなく、Aによる意味生成の過程の一部である。 |
初期状態は無限である
初期状態が有限(R)であるなら、絶対的な無限(∞)には原理的に辿り着けない。
もし宇宙の初期状態が**有限(R)**だったら
- Rとは、差異・区別・局所性を前提に持つ領域。
- 局所的であるということは、「境界」を持つということ。
- 境界がある以上、**無限(境界のない充足)**に到達することはできない。
- 有限の中で、どれほど拡張し続けても、それは無限そのものではなく、有限の漸近的拡大にすぎない。
数学的な例でたとえると
- どれだけ大きな自然数を数え続けても、∞に到達することはない。
- どれだけ小さな数を加算しても、有限の和の極限としてしか∞は現れない(極限値であって、到達点ではない)。
つまり、「有限」から「無限」へは”到達”できない。始まった瞬間に、それはすでに無限だったというしかない。