宇宙にある金の総量
金の上位保有国を20カ国並べるとアメリカが約8000トン、日本は約800トンほどである。地球上で採掘された金の累計は20万トンで、毎年3000トンが新たに発掘される。金は地殻に普遍的に存在する原子であり、人間の体の中にも0.2mgの金がある。また、人の便からも金が発掘されるし、銅を鍛錬するときに微量の金が混ざっているので、精錬するときに金が取れる。海にもリットルあたり10億分の1(ppb)オーダーで微量の金が含まれる。
金は貴重ではあるものの、普遍的な素材であり、金の延べ棒を集めたからと言って世の中が制圧できるようなものではない。アメリカですら、全世界の4%しか金を保有していない。そしてそれは地球の地殻に眠る金の100万分の1にも満たない。金はその原子核の内部構造、原子核と電子の原子内構造に美しさがあり、外形にその美しさが反映される。金のマテリアル的な性質を最大限解釈することができれば、金という物質が宇宙のあらゆる178の元素の中で生き残った理由を知ることができる。金はそのような意味で計算資源なのである。
地球のコアには地殻の10万倍の金が眠っているし、太陽などの恒星の地殻にもプラズマ化された金がある。地球の質量が中性子星の質量になると、その大きさは直径100mくらいになり、ブラックホールまで行くと直径17.74mmになる。これはブラックホールが超巨大であっても、小型であっても同じである。空間の極限には閾値がある。
中性子星まで行くと、金は原子核から分解されてしまい、陽子もその形を保つことができず中性子に戻ってしまう。さらにブラックホールまで行くと中性子のハドロン構造がとけ、1個のアップクォークと2個のダウンクォーク、さらにクオークでもない状態(マターとアンチマターの区別もない状態)にまで戻ってしまう。つまり、ブラックホールはある意味ビッグバンの前段階にまで物質を戻してしまう。
しかし、中性子星やブラックホールのイベントホライズン以外の空間で最も不変で強いのは金である。
1. 太陽と地球の体積比較
- 太陽の体積は約 1.41 × 10¹⁸ km³(1,410,000,000,000,000 km³)。
- 地球の体積は約 1.08321 × 10¹² km³(1,083,210,000,000 km³)。
したがって、太陽の体積は地球の約 1,300,000倍 。
2. 密度の違い
- 太陽の平均密度は 1.41 g/cm³ 。
- 地球の平均密度は 5.52 g/cm³ 。
| 項目 | 太陽 (M⊙) | 地球 (M⊕) |
| 質量(キログラム) | 約 1.989 *10^{30} kg | 約 5.974 *10^{24} kg |
| 相対質量(地球を1とした場合) | 約 330,000倍 | 1 |
| 体積(地球を1とした場合) | 約 1,300,000倍 | 1 |
| 金質量 | 約10^20kg | 約 10^14 kg |
🌎 地球全体の金の総量推定(コアを含む)
地球全体の金の総量に関する地質学的な推定では、金が**親鉄性元素(シデロファイル元素)**であるという性質が鍵となります。
1. 金のほとんどは核(コア)に集中している
- 地球形成の初期段階で、金のような重く、鉄と結合しやすい親鉄性元素のほとんどは、溶融した地球内部を沈降し、**中心にある金属核(コア)**に取り込まれたと考えられています。
- この推定に基づくと、地球上の金の99%以上(推定によっては99.999%)が、人類のアクセスできない核に集中しているとされています。
2. コア中の金の推定総量
この学説に従うと、地球の核に含まれる金の総量は、数兆トンに達すると推定されます。推定では、核に閉じ込められている金の量は、地殻に存在する量の数百万倍にもなると言われています。
💡 推定の根拠:核とマントルの組成比
- 始原的な組成の決定: 地球の構成要素となった初期の隕石(コンドライトなど)の組成から、地球全体が本来持っていたであろう金の初期濃度を推定します。
- マントル中の金濃度の測定: 現在のマントル(核を覆う層)に残っている金の濃度を測定します。
- 不足量の算出: 始原的な濃度と現在のマントル中の濃度の大きな差を計算することで、その不足分が全て核に沈降したと見なします。
📝 まとめ
| 区分 | 推定総量 | 採取の可能性 |
| 地殻(採掘済+埋蔵量) | 約25万トン | 採掘可能(限られた量) |
| 海水 | 約50億トン | 現実的な採取は不可能 |
| 核(コア) | 数兆トン | 永久に採取不可能 |
したがって、人間が採取できない核(コア)を含めると、地球の質量に対する金の割合から導かれる総量は数兆トンとなり、金は普遍的な物質であることがわかる。
🌌 宇宙の金の総量の推定値
1. 基礎データ
A. 観測可能な宇宙の物質の総質量
天文学的な観測から、観測可能な宇宙の**通常物質(バリオン物質)**の総質量は、以下の範囲で推定されています。10^{53} kg
- この質量には、星、ガス、塵など、原子からなるすべての物質が含まれます(暗黒物質や暗黒エネルギーは含まない)。
B. 宇宙の平均的な金の存在比
金(Au)は、宇宙では極めて稀少な元素であり、その生成は中性子星の合体(キロノバ)という特殊な現象に依存しています。
- 宇宙の通常物質の質量に対する金の質量比は、モデルによって異なりますが、一般に約 10^{-10} から 10^{-9} のオーダーであると推定されています(つまり、100億分の1から10億分の1程度)。
2. 宇宙の金総量の推定計算
宇宙の金の総量 は、宇宙の総物質量に金の質量比をかけて推定されます。
🌟 結論:天文学的な総量
観測可能な宇宙に存在する金の総量は、約 $10^{43}$ kg〜 約 $10^{44}$ kgのオーダーであると推定されます。
- これは、太陽に含まれる金の総量(約 10^{20}$ kg)や、地球全体の金総量(数兆トン)とは比較にならない途方もない量。
つまり、全宇宙の金から比べれば、地球上の金の総量は微々たるものであり、さらに、8000トンであっても800トンであっても、80gの時計であっても8gのネックレスであっても認知の差にさほど違いはない。しかしながら、あるとなしとでは全く発想が異なるというのが金であろう。

