Tetration|テトレーション
**Tetration(テトレーション)**とは、「繰り返し指数(反復累乗)」のことです。
これは、通常の四則演算や累乗をさらに上位階層へ進めた演算です。
✅ 1. 定義(tetrationとは何か)
Tetration(記号:↑↑)は、次のように定義されます:
\[^n a = \underbrace{a^{a^{a^{\cdots^{a}}}}}_{n\text{ 個の }a}\]つまり、
- \[^1 a = a\]
- \[^2 a = a^a\]
- \[^3 a = a^{a^a}\]
- \[^4 a = a^{a^{a^a}}\]
- …
このように「右結合」で累乗をn回繰り返す演算です。
✅ 2. 記号で書くと?
Donald Knuth の矢印記法では、こう書きます:
a↑↑n= na
なので、
- \[3 \uparrow\uparrow 2 = 3^3 = 27\]
- \[3 \uparrow\uparrow 3 = 3^{3^3} = 3^{27} = 7.6 \times 10^{12}\]
- \[3 \uparrow\uparrow 4 = 3^{3^{3^{3}}} \approx 3^{7.6 \times 10^{12}}\]
指数の高さが爆発的に増えます。
✅ 3. 算術階層の中での位置
tetrationは、四則演算の「階層構造」の中で見るとこうです:
レベル | 演算 | 例 | 意味 |
---|---|---|---|
0 | 加算 | a+a+⋯a + a + \cdots | 繰り返し加算 |
1 | 乗算 | a×ba \times b | 加算の繰り返し |
2 | 累乗 | a^b | 乗算の繰り返し |
3 | Tetration | ba or a↑↑b | 累乗の繰り返し |
4 | Pentation | a↑↑↑b | tetration の繰り返し |
… | Hyperoperations | … | より高次の繰り返し構造 |
✅ 4. 数学的・哲学的意義
- Tetrationは、計算不能級の関数の入り口であり、
- 超巨大数(例:グラハム数)や、超階層的構造(例:fast-growing hierarchy)において使われます。
通常の時間・空間スケールでは捉えられない階層構造の数理表現
✅ 図でイメージ(3↑↑nの成長)
n 3↑↑nの値 説明
-- -------------------- -------------------------------
1 3 単なる3
2 3^3 = 27 普通の累乗
3 3^(3^3) = 3^27 ≈ 7.6兆
4 3^(3^(3^3)) ≈ 3^(7.6兆) → 途方もない数
5 3↑↑↑3 さらに巨大(tetrationの繰り返し)
✅ まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | Tetration(テトレーション) |
定義 | na = a^{a^{a^{…}}}(n回のaによる右結合累乗) |
記号 | a↑↑n(Knuth記法) |
位置 | 累乗のさらに上の階層演算(四則演算の次の次の次) |
用途 | 超巨大数の定義、階層理論、計算理論 |