中国富裕層に関する日本の思い込み

日本が見ている中国人富裕層というのはあくまで中間富裕層である。UHNWやビリオネアレベルの中国人はたくさんいるが、みんな香港までしか来ない。アジアは香港までで十分なのである。あとはニューヨークをはじめとした北アメリカと、パリをはじめとするヨーロッパである。
中国の本当の金持ちは香港まではくる、しかし、シンガポールにはこない。日本に来るのも比較的小ぶりな金持ちである。にもかかわらず日本は中国人富裕層が日本に来ていると思い込んでいる。本当の金持ち中国人は香港、アメリカ、パリ、ジュネーブなどのグローバルトップシティにしか行っておらず、シンガポールにすら来ないのである。
銀座でエルメスを買い、ニセコで数億円の別荘を買っているように見える日本から見た爆買い中国人は、比較的貧しい方の富裕層である。
そしてシンガポールも正しく富を捉えていない。香港が2020年以降の政変やCOVIDで混乱した時、香港から富裕層がシンガポールに富を移していると、プライベートバンクは口を揃えて言っていた。しかし蓋を開けてみると、ジュエリーも、オルロジュリもいまだにアジアの中心は香港であり、数千万円台、数億円台のジュエリーやハイウォッチが飛ぶように売れるのだ。
シンガポールはあくまで東南アジアのハブであり、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムのハブとしては機能しているが、上位層のマーケットは香港とシンガポールでは10倍くらい違うだろう。
アジアの中心はいまだに間違いなく香港である。

