未発見の粒子|Graviton
アルカニ=ハメド教授やマルダセナ教授、ウィッテン教授たちが、それぞれの理論(ADDモデル、M理論、アンプリチュードヘドロン)において、その存在を予言・前提としている**「未発見の粒子」**には、いくつかの重要な呼び名があります。特に「時空」や「重力」の謎を解く鍵として注目されているものは以下の通りです。
1. グラビトン(重力子 / Graviton)
すべての量子重力理論において、最も重要かつ「未発見」の粒子です。
- 役割: 重力を媒介する粒子。
- ADDモデルでの特徴: アルカニ=ハメド教授の理論では、グラビトンは**「閉じた紐」であり、私たちの4次元の膜(ブレーン)に縛られず、「バルク(余剰次元)」**へ自由に行き来できるとされています。
- なぜ未発見か: 重力が他の力に比べてあまりに弱いため、単独の粒子として観測するのが極めて困難だからです。
2. カルツァ=クライン粒子(KK粒子 / Kaluza-Klein modes)
ADDモデル(大きな余剰次元理論)において、最も直接的な証拠として期待されている粒子です。
- 正体: 余剰次元の中に「閉じ込められた」グラビトンが、高次元方向へ運動(振動)している状態。
- 見え方: 私たちの4次元世界からは、**「非常に重い質量を持ったグラビトンの親戚」**のように見えます。
- 探索: LHC(大型ハドロン衝突型加速器)などで、このKK粒子が生成され、エネルギーが余剰次元に逃げていく「ミッシングエネルギー(欠損エネルギー)」という現象を探しています。
3. スフェルミオン / ガウジーノ(超対称性粒子 / Sparticles)
ウィッテン教授の「M理論(超弦理論)」が成立するために不可欠なパートナー粒子たちです。
- 総称: **超対称性粒子(SUSY粒子)**と呼ばれます。
- 個別の名前: すべての既知の粒子に「相方」がいると仮定されます。
- 電子(Electron)→ セレクトロン (Selectron)
- クォーク (Quark) → スクォーク (Squark)
- ヒッグス (Higgs) → ヒグシーノ (Higgsino)
- グラビトン (Graviton) → グラビティーノ (Gravitino)
4.「アンプリチュードヘドロン」における視点
アルカニ=ハメド教授の最新の立場では、これらの粒子を「実在する粒」というよりは、**「数学的構造(多面体)の特定の側面が、粒子として解釈されているだけ」**と見ています。
- 彼にとっては、新しい粒子を発見することは「新しい多面体の面を見つけること」と同義です。
物理学者たちは、これらの粒子を以下のように分類して呼んでいます。
| 理論 | 探している未発見粒子 | 役割 |
| ADDモデル | KK粒子 (Kaluza-Klein) | 余剰次元の存在証明 |
| M理論 (弦理論) | 超対称性粒子 (Sparticles) | 宇宙の数学的な対称性の完成 |
| 量子重力一般 | グラビトン (Graviton) | 重力の量子化の達成 |

